日本は科学技術大国である。その科学技術の力は、デジタル製品や高分子材料などの分野だけに発揮されているのではなく、様々な業界や人々の生活の細部にまで浸透している。こうした力によって、本来克服が難しかった技術的障害を取り除き、さらに多くの新しい可能性を創り出しているのだ。
幕末の頃、日本は様々な理由で東京湾の埋め立てを行った。最初はアメリカの艦隊が江戸に入るのを阻止するためだったが、後には大きな津波から東京を守るために、東京湾内に大小のたくさんの防波堤や人工島を建設した。中でも最も有名なのはお台場である。お台場には東京の新しいファッションや娯楽施設が集まっており、東京ビッグサイトも建設されて、各種の国際見本市が開催されている。その他の埋め立て地もそれぞれ開発が進められ、ごみ処理場や工業用地として使用されている。人工島の設備が整っていくのに伴って、東京との関係もますます密接になり、海を越える橋を建造することによって日常の交通を維持する必要が出てきた。しかし、江東区と城南島を結ぶ橋をかけようとした時、技術的な問題にぶつかった。
この橋は全長約3キロで、橋の下を万トン級の船舶が通れなければならない。また羽田空港に近いため、飛行機の安全な離着陸に影響を与えないために、橋の高さは98メートル以下でなければならない。以前は、この橋を作るのは無理だと考えられていた。一般の斜張式の海上大橋では、このような長さを保持しながら、高さを100メートル以下にするのは不可能だったからだ。だが、科学技術で奇跡を創り出した日本は、この技術的難題を解決するのに成功した。四車線を備えたこの大橋は2004年に着工し、先ごろ見事に完成して連結され、まもなく開通する予定だ。橋の外観は、思いがけずとても美しくできあがった。そこで、この橋には「東京ゲートブリッジ」というすばらしい名前が付けられたのである。
東京ゲートブリッジは全長2993メートルだが、最も高い場所でもわずか87.7メートルである。斜張式という昔ながらの工法ではなく、上下二層の鋼桁構造を採用し、橋体の張力を保持している。その結果、橋全体の外観が現代的になった。側面の銀黒色の鋼鉄がゲートの造型を構成し、遠くからでもはっきり見える。「ゲートブリッジ」という名前が実にぴったりである。東京ゲートブリッジはすでに、東京港の新しいランドマークになっており、人工島の一端には「海の森公園」という新しい名所も生まれ、お台場に続くもう一つの大きな海上の楽園になる予定だ。(凱特執筆)