2012年11月22日 第45号(通巻第339号)

初めての3D写真館

「3D印刷」をご存じだろうか?よくわからない方のために、詳しくご説明しよう。かつてインターネットビジネスモデルの基礎理論「ロングテール」を提起した、雑誌「Wired」の編集長、クリス・アンダーソンは、3D印刷の将来性を見極めた上で編集長の仕事を辞し、3Dの分野に飛び込んで新しい事業を開始した。彼は「3D印刷は新しい産業革命の起点であり、インターネットより重要である。」と、世間を驚かせるような言葉を語っている。これは一体どういうことなのだろうか?

「印刷」という言葉は、あるいは誤解されやすいかもしれない。むしろ「型取り」と言った方が正確だろう。「3D印刷」は、特殊な型取り機を「プリンター」とし、成型材料を「紙」にして、コンピュータの中の3D画像からフィギュアを作り出すというものである。例えばコンピュータでキーホルダーをデザインして、3Dプリンターで実物を作り上げて使えるとしたら、とても不思議な感じがしないだろうか?3D印刷技術の意義は、我々が金型業界に頼らなくても自分で型取りができるというところにあるのだ。このことは、プリンターが生まれて以来、我々が印刷所に印刷を頼まなくてもよくなったのとたいへん似ている。

3Dプリントは、欧米ではすでに広く応用されている。電子製品の設計者は各種部品の型を、歯科医は義歯を、菓子製造者は様々な形のチョコレートを「プリントアウト」する。綿を使って雲を「プリントアウト」して天井からつるしてもいいし、自分の好みの枕を「プリントアウト」してもよいだろう。我々がよく知っている「アバター」や「アベンジャーズ」などのハリウッド映画でも、すでに多くの道具が3Dプリンターで製作されているのだ。

来週、世界初の3D写真館が、東京の表参道に誕生する。この「OMOTE 3D SHASHIN KAN」という名前の写真館に入り、15分かけて全身をスキャンすれば、自分とそっくりのミニチュアフィギュアを手に入れることができる。フィギュアは10cm、15 cm、20 cmの三つの高さから選べる。価格は決して安くなく、15 cmのものは32000円である。だが、恋人や家族と一緒に行けば、優待サービスもある。もし価格のことを考えないとしたら、みなさんは誰の姿をコピーして保存したいと思うだろうか?(松鼠執筆)

OMOTE 3D SHASHIN KAN http://www.omote3d.com/

自動車・電車関連ニュース

【地下鉄誕生展】地下鉄開通150周年を記念して、2012年11月20日から2013年1月14日まで、地下鉄博物館で「地下鉄誕生展〜ロンドンの地下鉄から150年〜」が開催されている。この展覧会では、地下鉄の歴史と都市の近代化や発展との関連を紹介している。メトロポリタン鉄道がロンドンで建設した世界初の地下鉄は、1863年1月に開通するまでに様々な困難があり、それに力を尽くした多くの人々の功績は決して無視できないものである。さらには今年の12月30日に85周年を迎える日本の地下鉄の歴史も展示されるなど、地下鉄の150年史が写真と模型で紹介されている。特別展の期間中には、来場者に地下鉄博物館の記念グッズがプレゼントされ、館内には記念スタンプ台も設置される。地下鉄博物館の所在地は、東京都江戸川区東葛西6-3-1、開館時間は10時〜17時である。毎週月曜休館で、入館料は大人210円、子ども100円である。

【女性のための車買取サイト】エクシア社は、女性スタッフによる女性のための車買取サイト「レディスタイル」を開設した。最近、自動車の買取需要がますます増えているが、女性は男性スタッフが家に来るのに不安を感じるし、強引な買取が行われることも問題になっている。そこでエクシア社は、女性スタッフによる買取部門を設置し、電話の応対も買取の査定もすべて女性が行うことにした。車売却時に必要な各種手続きも無料で、女性の立場に立ったサービスが彼らのモットーとなっている。

【ホンダNシリーズがノミネート】日本デザイン振興会は10月15日に、今年度のグッドデザイン大賞の候補15点を発表した。乗用車では、唯一ホンダのNシリーズがノミネートされた。今年の象徴となるデザインとして、11月中に候補作の中から大賞が選ばれる。今年度のグッドデザイン賞受賞作は全部で1108点で、その中から特に優れたデザインのものがグッドデザイン・ベスト100に選ばれた。大賞候補の15作品は、さらにその中から選ばれたものである。乗用車では、ホンダNシリーズ以外にも、トヨタのポルテ、トヨタ車体の超小型電動自動車コムス、スバルのXVがベスト100に選ばれている。11月23日から東京ビッグサイトで受賞発表展「グッドデザインエキシビション2012」が開催され、来場者が好きなデザインに投票することができる。合計得票数が最も多かった作品が大賞を獲得する。(ff執筆)

自動車ポータルサイト/ガズー http://gazoo.com/

デザインについての物語

我々は毎日の生活の中で、大きなものでは家具や家電、小さなものでは台所用具や生活小物など、様々な製品に接している。それらは毎日の生活とあまりにも密接であるため、芸術品として鑑賞することは難しい。だがそれらは、美しい芸術品と同じように、デザイナーたちがあれこれと思索を凝らし、心血を注いで作り上げた「アート作品」なのである。

柴田文江さんは、優れたインダストリアルデザイナーとして、我々が日常生活のあちこちで目にする多くの製品をデザインしてきた。柴田さんは武蔵野美術大学を卒業し、1990年に東芝デザインセンターに入り、その後、自分でDesign Studio Sを設立した。2011年にグッドデザイン賞を受賞した彼女は、これまでに家電、児童用携帯電話、体温計、カプセルホテルなどの製品をデザインしている。女性の独特な視点と感性で製品に柔軟な要素が注ぎ込まれ、細部にも気が配られており、彼女のデザインした製品には女性的な柔らかさと細やかさが込められている。みなさんが現在使っているものの中にも、柴田さんの手によるものがあるかもしれない。

有名なインダストリアルデザイナーである柴田さんが、12月13日に作品集「あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ――柴田文江のプロダクトデザイン――」を出版する。この本では、柴田さんが製品をデザインする時の、製品開発の発想から、何度も検討と修正を繰り返し、最後に決定して生産され、製品が発売されるまでの全過程を記録している。また柴田さんは、作品集の中で自分の言葉で評論を行うという初めての試みを行っている。今回の作品集で紹介された製品には、無印良品の「体にフィットするソファ」、JR東日本の「次世代販売機」など、我々がよく知っている製品も含まれている。

今回の作品集の刊行を記念して、12月14日に東京のサントリー美術館でトークイベントが行われる。柴田さん本人の他、作品集のブックデザインを担当した葛西薫さんが登場する。モデレータは、作品集に寄稿したデザインジャーナリストの藤崎圭一郎さんである。この三人はそれぞれの分野で卓越した才能を発揮している人々であり、彼らのトークイベントはきっとすばらしいものとなるに違いない。プロダクトデザインに興味のあるみなさんは、是非この機会を逃さないように!(小雅執筆)

会場:東京ミッドタウン/サントリー美術館内 日程:12月14日(金)18:30〜20:30 

「あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ――柴田文江のプロダクトデザイン――」トークイベント 
  http://www.design-s-book.com/

ローリーズファーム20周年

株式会社ポイント傘下の有名ファッションブランド、ローリーズファームが、11月23日に東京の六本木ヒルズアリーナで20周年記念イベント、「MAKE WITH HAPPY!! LOWRYS FARM 20th Anniversary」を開催する。ローリーズファームは1992年の創立で、1号店は池袋に開店した。クオリティ&リラックスをコンセプトとして、ベーシックアイテムとシーズンアイテムをミックスし、ブランドのイメージを備えた斬新な日本的スタイルを創り出し、多くの若い女性たちの人気を集めている。

今回のイベントは五つの部分に分かれており、第1部はバースデーファッションショー(11:00〜11:30)、第2部はMiss Lowryファッションショー(13:00〜13:20)、第3部は今宿麻美とナオト・インティライミのトーク&ライブ(15:00〜15:30)、第4部はRabbit公開トークショー(17:00〜17:30)、第5部はフィナーレファッションショー(17:30〜19:00)である。一般のブランド紹介とは異なり、観客と共に楽しむタイプのイベントとなっている。お客さんたちと一緒にブランド20周年を祝うために、ローリーズファームでは20種以上のアトラクションをそろえ、藤森慎吾、アリス、田中美保、岩崎名美などのゲストによるファッションショーやパフォーマンスもあれば、メリーゴーラウンド、フラワーアレンジメント、フードカーなどもあり、最後には来場者と一緒にCM撮影をする特別コンテンツもあって、お祭りのようににぎやかである。恋人と一緒に、友達と数人で、あるいは家族連れで、楽しい一日を過ごすことができる。イベント会場では、たくさんのブースがステージを囲む形で並び、ローリーズファーム以外にも、グローバルワーク、レイジブルー、レプシィローリーズファーム、ヘザーなど、ポイント傘下の他のブランドのブースもあって、来場者はファッションショーを見る合間に、気に入った商品を実際に試したり購入したりすることもできる。

このイベントのハイライトは、ミス・ローリーコンテストの結果発表である。2012年10月にローリーズファームは初めてミス・ローリーコンテスト国際選抜イベントを行い、日本だけでなく、上海、北京、台湾、香港などの141店舗でミス・ローリーを公募した。審査委員長は人気モデルの田中美保である。20周年イベントでは、各地区で選ばれた9名のミス・ローリーが発表され、彼女たちはMiss Lowryファッションショーで他のモデルたちと一緒に登場する。各国のミス・ローリーの誕生は、ローリーズファームが今後さらに国際的な視野をもって、さらにすばらしい商品を我々の前に展開してくれることを期待させる。(Michelle執筆)

会場:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ  日時:11月23日(金)11:00〜19:00

「MAKE WITH HAPPY!! LOWRYS FARM 20th Anniversary」  http://lowrysfarm-20thanniversary.jp/event/index.html

フグの都、下関にようこそ

フグには毒があるため、食べるのをためらう人も多いでしょう。でもおいしくて柔らかい肉質に、食いしん坊の人々の多くは危険を冒しても食べたいと思うようです。日本では消費者の安全を守るため、料理人はフグ調理師の免許を取得しなければフグの調理をすることはできません。フグの劇毒を取り除くこともすばらしい技術ですが、フグ料理を作ることはさらにすばらしい芸術と言えるでしょう。フグを半透明に薄く切り、お皿の上に華やかに咲く牡丹の花びらのように並べた華麗な「フグ刺し」は私にとってたいへん印象深く、気持ちが強く惹きつけられ、劇毒のことなど心から雲散霧消してしまいました。高たんぱく、低脂肪で、甘くてやや弾力性のあるフグの肉を酢に付けて食べると、たまらないおいしさです。昆布やフグの骨を煮だして作った出汁にフグの肉や青菜を入れて作ったフグ鍋(フグちり)、あるいはフグの肉に小麦粉を付けて揚げたものなど、どんな料理もとてもおいしく、さらにフグのひれ酒を飲めば、フグ料理のフルコースとなります。あ〜、本当にこれ以上の幸せはありません。

日本語では「河豚」と書いて「フグ」と読みますが、フグが集中する山口県下関では、「フク」と呼びます。これは「福」と発音が同じなので、福を招くという意味があるのです。明治時代に、下関は日本で最初にフグを食べることが許された場所で、日本全国や海外からの天然フグと養殖フグはすべてここに集まりました。フグ料理の販売が最初に許された店は、下関市の春帆楼だと言われています。ついでに言うと、フグの総消費量は大阪が6割を占めており、この数字から大阪人がいかにフグを愛しているかがわかります。

フグを食べたい、あるいは買いたいという場合は、下関の唐戸魚市場へ行ってみてください。ここは1933年からフグの卸売をしている、日本最大のフグ市場で、新鮮で安くておいしいフグが買えることを保証しています。下関と言えばフグと言えるほどで、この街に来ることはフグの世界に来ることを意味します。街ではとてもおいしいフグ料理の専門店がみなさんが食べに来るのを待っていますし、お土産品でも、路上の下水道の蓋でも、店の看板でも、様々な商品の包装でも、フグの図案がないところはないぐらいです。中でも、フグの皮を加工して作った、フグが膨れた様子を表現した可愛い伝統工芸品「河豚提灯」や、下関の郷土玩具「河豚笛」は、とてもよい記念品になります。

下関の名物には、フグ、蟹、イカ、ウニ、アンコウの五種があります。2月9日の河豚の日にここに来れば、恵比寿神社で行われる賑やかな「ふくの日」の祭りを見ることもできます。(哈日杏子執筆、撮影)

共同組合下関ふく連盟 http://fuku.com/  哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)

第45回 合羽橋

【合羽橋の概要】上野と浅草の間にある道具街で、800メートルの長さの道の両側に、170余りの店舗が並んでいる。調理器具、包装材、台所用具、食品サンプル、調理衣装など様々な商品があり、日本一の専門調理道具街という名に値する。日曜日と祝日は、30%ほどの店舗しか営業していない。毎年10月9日の「道具の日」前後には道具まつりが開催され、道具市や露天の店が並んでたいへんにぎやかである。

【合羽橋の歴史】今から二百年ほど前、合羽川太郎という人が、このあたりの排水溝が狭くて水害が発生しやすいので、私財を投げ打って掘割工事をした。隅田川の河童たちが工事の進度が遅いのを見て、毎晩工事を手伝った。これが合羽橋(河童と発音が同じ)の商売が発展した起源とされている。今日の道具街は1912年に始まり、最初の商人たちはここに集まって農具や生活用品などの古道具を売り買いしたという。

【様々な商品】道具街では、お菓子やパンを作る機械、和洋中の食器、陶磁器、漆器、飲食店の用具、包装用品、容器、装飾品、食品サンプル、調理衣装、看板、のれん、竹製品、お菓子の材料、飲食店の食材、お菓子の卸売、日本/西洋の家具、厨房設備、冷蔵庫、ガラスケース、展示ケース、店舗の設計施工などを扱っている。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「出会い」
場所:台東区生涯学習センター前
撮影のポイント:情景に出会って即座にシャッターを切った。被写体を見つけて、できるだけ近くまで走り寄ったが、河童の全身をカメラに収めたかったので、やや姿勢を低くして子供の視線にし、河童の無邪気な様子を際立たせた。
使用フィルタ:Hefe+彩度+円形のぼかし(河童の服の質感を強調する。フレームの装飾効果。)
タイトル:「バルコニー」
場所:菊屋橋交差点
撮影のポイント:個性的な「コーヒーカップ」バルコニーだけを撮影しても、なかなかのインパクトがある。だが、あえて街路灯や消火栓の看板を画面に入れ、左右の対比と相互作用を出して印象を強めた。
使用フィルタ:Sutro+彩度(左側に黒雲が湧き出る感じを出し、右側のコーヒーカップのバルコニーを際立たせる。)

タイトル:「道の果てに」
場所:合羽橋交差点
撮影のポイント:この場面を選んだ最大の理由は、遙か遠方の東京スカイツリーとその前を左右に交錯する電線である。通りの遠近感と近景で挨拶し合う近隣の人々。物語性のある日常の情景である。
使用フィルタ:Lo-fi+彩度(近景と遠景の対比を際立たせる。フレームの装飾効果。)
タイトル:「儀仗隊」
場所:合羽橋北交差点
撮影のポイント:大学生の鼓笛隊が行進する場面。列の後ろに立ち、画面の中心をぴったり合わせ、ほぼ完全なバランスの対称的構図を作り出す。モノクロにすると、半世紀前の場面を見るような写真になった。
使用フィルタ:Inkwell+彩度(「レトロ写真」の雰囲気を誇張する。写真から時代感が溢れている。)

かっぱ橋道具街 http://www.kappabashi.or.jp/ (日、英、中、韓)

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