2009年4月10日第13号(通巻第165号)・ALAYA5周年記念
【photo by Kazuhiro Matsumoto】

→二年前にこのメルマガで紹介されたソニーの「ブドウ糖バイオ電池」を偶然見つけて、興味を持ちました。導電原理を知りたいと思うのですが、ネット上で見つかるでしょうか。【台湾 阿商

←ソニーの「ブドウ糖バイオ電池」に関するページに、発電原理の図と化学式が出ています。内容はかなり専門的ですが、研究してみてください。

→こちらでもさまざまな桜が咲いていますが、桜の国の雰囲気には遠く及ばないのではないかと想像しています。東京に行って、ぜひ本物の桜を見てみたいと思います。【武漢 静黙

←東京は今、桜が満開です。2009年のお花見特集をご覧下さい。最近は、中国からの個人旅行の条件がだいぶ緩和されました。一日も早く静黙さんの夢が実現するといいですね。

4/9(Thu) - 4/15(Wed)
モザイク「B・B・Q」
グループ展: 絵画・立体・イラスト・雑貨

4/10(Fri) - 4/12(Sun)
スファエラ・ワールド
立体・映像・マルチメディア・インスタレーション

4/10(Fri) - 4/13(Mon)
ホシツキヨ 雑貨

4/10(Fri) - 4/16(Thu)
Session3「Session3展」
立体・イラスト・その他のジャンル

ALAYA

ディズニーの家電シリーズ

日本の小型家電市場において革新性と独創性で定評のあるアリエテは、1964年にイタリアのトスカーナで生まれたブランドである。「家庭で毎日使用する、シンプルで外観も美しい製品」をデザインコンセプトとし、キッチン家電の分野で、生活を便利で楽しいものにするための新しい商品を開発し続けている。最近、アリエテはウォルト・ディズニー社と契約し、レッドシリーズのかわいい小型家電を発売した。子どもたちだけでなく、大人たちも童心に帰って料理を楽しみたくなる商品だ。

●アイスシェーバー
ミッキーマウスを連想させる可かわいらしいかき氷製造機だ。氷を入れてスイッチを押せば、無邪気な姿のミッキーが一生懸命氷を砕き、細かさが均一なかき氷ができあがる。安全システムがついており、ふたをしっかり閉めなければ起動しないようになっている。また底部には、ゴムの滑り止めがあるので、子どもでも安心して使用できる。ミッキーの耳は取り外しができるシロップ入れで、2つの耳にそれぞれ異なるシロップを入れれば、作るのがますます楽しくなるだろう。

●アイスクリームメーカー
保冷ポットを冷蔵庫に8〜10時間入れておき、材料を入れてスイッチを押せば、20分でアイスクリームができあがる。スイッチが入っている間は、ミッキーとミニーの絵がついた保冷ポットが回転するので、待っている間もなかなか楽しい。おいしいアイスクリームだけではなく、フローズンヨーグルトやシャーベットも作ることができる。ポットが二重設計になっており、氷を加えなくても材料を充分に冷やすことができる。1.5リットルの大容量で、家族みんなの分を作るのにも充分な大きさだ。

●スムージーメーカー
ミキシングバー、ボトル、注ぎレバーなど10以上の部品と、手動スイッチ、スピード切換えスイッチからなり、構造が複雑に見えるが、使うのも洗うのも意外に簡単だ。果物と氷をボトルに入れ、スイッチを押せば、カッターがたちまち砕いてくれる。注ぎレバーを倒せば、無添加のおいしいスムージーをグラスに注ぐことができる。豆乳などを加えて独自の味を楽しむこともできる。

(C)2009 Disney (C)2009 delonghi

アリエテ http://www.delonghi.co.jp/ariete/index.html

日本最大のバイクの祭典、東京で開催

日本最大のバイクの祭典「東京モーターサイクルショー 2009」が、3月27日から29日まで、東京ビッグサイトで開催された。世界的な景気後退により、バイクの売り上げも落ち込んではいるものの、今回、来場者数が3日間でのべ約10万人、ブース出展数も146メーカーといずれも過去最高となった。

ホンダ
2月にリニューアル発売した「VTR」を中心に、400ccスクーター「シルバーウイングGT」などを展示。本物のMotoGPバイクに跨れるコーナーには、長蛇の列ができていた。

ヤマハ
なんといっても4半世紀ぶりにモデルチェンジした「VMAX」。その独特のデザイン、排気量1679ccの威圧感、230万円以上もするバイクだが、その人気は会場一と言っていいほど黒山の人だかりとなっていた。

スズキ
フラットシートが特徴の250ccスクーター「ジェンマ」に新色が登場。鮮やかな赤色が目を引いた。この色なら女性の人気も集めそうだ。

カワサキ
ニューモデル「ZRX1200 DAEG」を中心に、昨年発売され、日本や欧米で人気の「Ninja 250R」の新色も展示。幅広い層に根強い人気を見せていた。

その他、ハーレー・ダビッドソンやドゥカティ、トライアンフ、KTMといった海外のバイクメーカーも一堂に出展し、来場者は思い思いに真新しいバイクに跨り、楽しんでいた。また会場の外では、さまざまなバイクの試乗会や、警視庁による白バイのパフォーマンスも行われ、大いに賑わっていた。最近、明るい話題の少ないバイク業界だが、来場者の関心は決して落ち込んでおらず、それを近い将来、販売台数増へどう結びつけるかが鍵となるのではないだろうか。

東京モーターサイクルショー 2009 http://www.motorcycleshow.org/

普段の日常をアート空間に

私たちが日常、生活している中で、まわりの物事は刻一刻と変化している。そんな何気ない変化や偶発性、とるに足らない物事を「インシデンタル」(incidental)と呼ぶ。普段、どこにでもありそうなことが、現代の新しい美意識として甦り、人々に新たな価値観や感覚を生み出すアートの世界。このインシデンタルをテーマにした展覧会「インシデンタル・アフェアーズ うつろいゆく日常性の美学」が、大阪市港区のサントリーミュージアム[天保山]で開催されている。

日本、そして海外の第一線で活躍する現代美術アーティスト17人の作品を展示。その内容は、絵画だけでなく、映像、立体、写真、インスタレーションなど多岐にわたる。会場に一歩足を踏み入れるとまず、真っ白な空間に掛けられたウォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)による大きな3点の作品「自由に泳ぐ者」(Freischwimmer)が目の前に飛び込んでくる。この作品は絵画ではなく写真。水の中を自由に流れ、滲(にじ)み、拡散していく繊細な粒子をそのまま取ったような画面には、うつろいゆく日常性そのものを写し出している。

また、1から9までの数字をカウントし続ける長さ25m、約1700個のデジタルカウンターを用いた宮島達男の「MEGA DEATH」には圧倒される。人間の途切れることのない命の生と死を表現し、それを人々の五感に訴えかけている。そして、床にバケツやモップなどのさまざまな日常品を並べた田中功起の作品は、一見雑然としているようでも、色や位置などがすべて念入りに考えられて配置されているという。

さらに、小さな木馬たちがさまざまな部屋の中を「旅」する映像、見知らぬ人々に手紙を送って外から撮影した写真など、ごく日常をアートにした数々の作品を眺めていると、自分のまわりにある事柄への「視点」が変わるような気がした。また、この展示のレクチャーも会期中毎日1時間ごとにあるなど、ややわかりにくいとされる現代アートへの入門としてもぜひおすすめだ。5月10日まで。月曜休館(4月27日、5月4日は開館)。(飾磨亜紀執筆)

宮島達男 ≪MEGA DEATH≫, 1999年, Photo : Shigeo Anzai, courtery of the Japan Foundation and SCAI THE BATHHOUSE
さわひらき ≪Going Places Sitting Down≫ Still from DVD 2004年, Hiroki Sawa, courtesy of Ota Fine Arts

サントリーミュージアム[天保山] http://www.suntory.co.jp/culture/smt/index.html(日・英)

新社会人たちへのメッセージ

世界中で話題の大型歴史映画「レッド・クリフPartU」が、今月10日から日本でも上映される。公開の5日前である4月5日に東京ビッグサイトで、ちょっと変わったプレミアムイベントが行われた。この「Imagine Future」と名づけられたイベントに参加した約400人の観客は、まもなく社会に出る若者たちだ。イベントでは、現在の不景気な経済情勢の中で若者たちを励ますために、さまざまな分野から5人の人々を招いて講演や座談会を行なった。

ジョン・ウー監督はオープニングの挨拶で、「レッド・クリフ」製作への思いを語り、「歴史を記録する映画を撮るのではなく、この映画を通じて、今、忘れられかけている『愛』『友情』『勇気』について考えてもらおうと思った」と述べた。そして「信念があれば必ず奇跡が起こる」と若者たちを励ました。

国会議員の小池百合子さんは「着眼大局、着手小局」(大局に着眼し、小さなことから着手する)という言葉と、孫子の「敵の十倍の兵力があれば敵を囲み、五倍なら攻撃し、二倍なら戦い、敵より少数なら守りを固め、非常に劣っていれば戦いを避ける」という戦術を紹介し、若者たちに対して、努力することが大切だが、理性的に分析してポイントをつかむことが成功につながるだろうと述べた。経済学者で、日本の経済改革の推進者であった竹中平蔵さんは、改革推進において反対され続けた自分の経験を語り、人生には勇敢に「背水の陣」を敷くことが必要だと説いた。エイベックスの松浦勝人社長は、「レッド・クリフ」に描かれた「信念を持つ」という思想を取り上げ、「決して負けないで、あきらめないで」と、若者たちを励ました。作家、映画監督、作詞家、大学教授ら、さまざまな肩書を持つ秋元康さんは、「人生で最も楽しいときはいつか?」という質問をした。多くの人が学生時代と答えるが、学生時代にはそれに気づかず、後で振り返った時に感じるものだ。だから、ためらうことなく一つの道を選んで歩き続け、もし失敗してやり直しになっても、振り返ればきっと貴重な収穫があるはずだと、秋元さんは言う。最後に彼は幸せの秘訣を「捜し求めるのではなく、発見するのを学ぶことだ」と語った。また、若者たちと同世代の小倉優子さんは、若々しい心で時事問題に対してすばらしい意見を述べ、会場の若者たちを感動させた。

講演の後、出席者たちによって「仕事を選ぶ方法」や「グローバル化の時代に国境は必要か」などについて討論を行なった。討論の後には、シークレットゲストとしてX−JAPANのYOSHIKIとTOSHIが登場し、会場は歓声と熱狂に包まれた。彼らは「Forever Love」を歌って、イベントの最後を華やかにしめくくった。(劉詩音執筆、撮影)

(C)2009 IMAGINE FUTURE

Imagine Future http://if2009.jp/index.html

時代の永遠の一瞬をとらえる

日本に住み始めてまだ3ヶ月の頃、カメラに夢中だった異国の青年は、ある情報を聞いて狂喜した。それは「O−product」発売のニュースであった。当時はカメラが急速に電子化した時代であり、新しいデザインを求め、伝統を軽視する風潮が日本全体を覆っていた。今でも「O−product」を初めて見た時に感じた感動と衝撃が、記憶の奥底に刻まれている。

「O−product」は、スマートなアルミニウムの本体に1920〜30年代の欧米の黄金時代のイメージを再現した、それまでにないカメラだった。外観デザインでは「円」と「四角形」を効果的に組み合わせ、古典的な風格を備えていたが、内部構造は当時においては非常に先進的で、オートフォーカス、自動巻上げ、セルフタイマーストロボなどの機能がついており、特に本体と調和した専用ストロボが着脱可能なのが、ファンたちを喜ばせた。

20年後の現在、代官山の、模型やキャラクターグッズでいっぱいの「Water Design Scope」のオフィスで、「O−product」のコンセプトデザイン(プロダクトデザインは山中俊治氏)を手がけた坂井直樹先生が語る創作の思想をうかがい、言葉では言い尽くせないほどの感動を味わった。「『機能から考えだされたデザインは美しい』というコピーをよく目にするが、僕は賛成しかねる。機能美の話は何度も言われ続けたし、ある程度の理はある。しかし、機能美論だけで世の中の美しいデザインのすべてを説明するには無理がある。」眼鏡の向こうでは叡智に満ちた瞳が輝いていた。

日産の「Be−1」で自動車の四角い形のボディーの流行を打ち破り、曲線とかわいらしいデザインの先鞭をつけた坂井先生は、その年にオリンパス創立70年記念のカメラをデザインする仕事を引き受けたとき、巷で売られているカメラがみな黒の合成樹脂製で、生産と販売には便利であるものの、ユーザーから見ると美しさに欠けていることを敏感に感じていた。そこで、このユニークな「O−product」が誕生することになったのである。

昔も今も「誰もやったことがないからこそ、やる価値がある。今、世の中に無いものを作ることにデザインの役割がある」と、坂井先生が考えている。「O−product」は2万台の限定製造で、特殊なルートを通じて日本、アメリカ、ヨーロッパで販売された。日本では一週間で売り切れたという。今でも、中古市場における人気では、不動の地位を占めている。このように実験的要素と遊び心に満ちたカメラは、その後は現れることがなかった。オリンパスの創立100年記念では、「O−product」を超える傑作が生み出されるだろうか。(姚遠執筆)

(C)2009 OLYMPUS CORPORATION

坂井直樹のオフィシャルブログ http://www.sakainaoki.com/
 Yahoo!ブログ - コンセプター坂井直樹のデザインの深読み http://blogs.yahoo.co.jp/sakainaoki1947


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