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2008年5月30日第18号(通巻第125号) 毎週金曜日発行
 

赤の画家の新たな試み

日本人は、素朴で涼しげで穏やかな美しさを好むとずっと思っていた。よく見かける色は、清潔な白や、工夫を重ねたグレーや、柔らかなセピア色などで、「赤」は少ないように感じていたからだ。

そのため、初めてSasaoさんの絵画作品を見たとき、何と鮮やかな色なのだろうと驚いた。「赤」はSasao作品のメインとなる色調なのである。1998年にBunkamuraギャラリーで初めて個展を行い、去年で10回目を迎えたが、これは画家としての人生の十年目でもある。この十年の間、Sasaoさんはパリの街や花などをテーマとし、健康的な「赤」をメインにすえて、人々に楽しいイメージを伝えてきた。その作品は軽やかで明るく、しかもモダンである。正に「赤の画家」の名に恥じないすばらしい作品群だ。

そして今年は、新しい起点となる十一年目に当たって、Sasaoさんは愛する花の絵の芸術性をさらに深めることを試みた。華道の家元池坊の中村正和氏とコラボレーションを行い、生け花作品を絵に描いて、二次元のキャンバスに日本の生け花の美しさを表現したのである。背景は、もちろんSasaoさんのシンボルである「赤」だ。西洋絵画を基調とした画家が日本民族の芸術に目を向けたことは、一つの新しい挑戦といえるだろう。

6月28日に始まる絵画展で、このシリーズの作品を鑑賞することができる。また、中村正和氏の五つの生け花作品も同時に展示される。ケーキの店キルフェボンでは、Sasao氏の絵画作品をイメージした記念のタルトが販売される。

十一年の時間が積み上げられて、ますます充実したSasaoさんの赤が、日本の500年の伝統芸術とぶつかり合って新たな火花を散らす。神秘をたたえた東方のイメージが加わった作品は、見る者を深く考えさせ、その中に浸らせることだろう。(劉詩音執筆)

【笹尾光彦(Sasao)特別展】 2008年6月28日〜7月6日 Bunkamura 渋谷区道玄坂2−24−1 営業時間:10:00〜19:30

Sasao公式サイト /sasao/exhibition/index.html
 Sasao特別増刊号
  /feature/014/Tokyo-Fashion-20071031(feature14)-jp.html

プラダの携帯電話

去年の春にヨーロッパで販売が開始され、全世界で大きな反響のあった「プラダフォン」が、来月日本市場に上陸する!このiPhoneよりさらに一回り小さい54×101×12.7mm(重さわずか92g)の全面タッチパネル携帯端末は、イタリアの高級ブランド、プラダとのコラボレーションということで、日本のファッション業界で新たな話題になっている。

「プラダフォン」はキーパッド非搭載のタッチパネル式ディスプレイを採用し、シンプルなデザインとピュアブラックのボディが、初めて見る人に深い印象を与える。ディスプレイは3インチWQVGA(400×240ドット)タッチモデルで、指先で自在に操作でき、スクリーンをタッチすると指先に微振動が感じられる。また、HSDPAや3Gの国際ローミングにも対応している。また、2GBのmicroSDカードをUSBメモリーとして使用できる。バッテリー容量は900mAhで、通話時間は140分、静止時の待受け時間は350時間である。

待受け画面には、メニュー、時計、ニュース、電話帳などのアイコンが表示されている。四つのグループに分けられたアプリケーションメニューは縦に配列され、それぞれのグループには「電話」「マルチメディア」「PIM」「設定」などのアプリケーションソフトのアイコンが横に並んでいる。アイコンの上下間隔は、その数によって自動的に調整され、巧妙にデザインされている。

一部のアプリケーションソフトはフラッシュ方式であり、指先で直感的に操作することが「プラダフォン」の最大の特徴になっている。例えばワールドクロックは、起動時に地球儀が現れ、指先で地球儀を回転させて地域を選択する。都市を見つけたら、指先で選択する。またカレンダーの表示は、当日の日付が大きく飛び出し、予定があれば、その日付の右下にブルーの表示がついている。
(C)2008 NTT DoCoMo, Inc.

NTT DoCoMo 「PRADA Phone by LG(L852i)」公式サイト
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/concept_model/l852i/

新しいタイプのテーマレストラン

汐留の一号店に続いて、ファッションビルの青山エムズタワーの二階にアーキテクトカフェ二号店がオープンした。アーキテクトカフェは、休息や食事とインテリア製品の展示を結合した新しいタイプのテーマレストランである。テーブル、椅子、家電、照明など、店内のすべての施設について、高級ブランドや有名デザイナーの製品が採用されている。有機野菜で作られたおいしい食事をいただきながら、気に入ったデザインの製品を眺めたり、実際に使ってみたりできる。こんな空間に身を置くことができれば、数人の友達同士で来ても、静かに一人で読書をしても、とても幸せな時間が過ごせるだろう。

アーキテクトカフェ二号店は、16のブランドとコラボレーションを行い、「都市の中でゆっくりした生活をする」ことを提唱し、レストランをリビング、SOHO(書斎)、キッチン、ガーデンなどのテーマエリアに作り上げている。リビングとSOHOにはハーマンミラーの家具やアルテミデの照明器具が使われ、ガーデンではLED照明の下で栽培した野菜の生長過程を観察することができる。キッチンにはイタリアのブランドキッチン、サルバラーニを、定期的に開かれる料理教室で使用することができる。また、店内にはインテリア関連書籍が並んでおり、自由に閲覧できる。住宅への要求度の高い人々は、ここで情報を集めることができるというわけだ。

店内の座席は67あり、朝7時から営業している。朝食とランチはビュッフェで、ディナーでは和洋折衷のおいしい料理と60種のアルコール飲料が提供される。すべての食品を飲食業界で実績豊かなAD&M社が扱っており、味にも大いに期待できる。

アーキテクトカフェ二号店の主な展示商品は、サルバラーニ(キッチン)、AEGエレクトロラックス(調理家電)、クリンスイ(浄水器)、アリアフィーナ(レンジフード)、イーノイーノ(照明)、ハーマンミラー(家具)、リリカラ(壁紙とカーテン)などである。

アーキテクトカフェ】 所在地:東京都港区南青山2−27−18青山エムズタワー2F 電話:03−5771−2570 営業時間:7:00〜23:00

アーキテクトカフェ公式サイト http://www.architectcafe.com/

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東京写真日記
【photo by Kazuhiro Matsumoto】
来週のイベント
六本木ヒルズアリーナや毛利庭園前などに“ビアガーデン”が作られ、六本木ヒルズがビールのテーマパークに変身。

5/30(金) 「ビアフェス2008」開催 六本木ヒルズ

アメリカの大型バイク「ハーレーダビッドソン」の展示試車イベントが開かれる。

5/31(土) 「アメリカンワールドフェスタ in 東京」 

世界各国の料理やライブなど、40種類のイベントが楽しめる二日間。

6/1(日) 「横浜開港祭」 横浜

日本神話の世界を再現した水彩画を展示。

6/2(月) 「藤井美由紀〜恩賜(みたまのふゆ)〜展」

スイスと日本を代表する建築家を紹介。

6/3(火) ペーター・メルクリと青木淳の建築設計展

歯科医療への正しい理解促進を図ることを目的に実施しているキャンペーン。とびきりの笑顔写真の募集を始める。

6/4(水) 「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2008」 

世界初の消しゴム版画家にしてテレビ評論家でもあるナンシー関の大回顧展。

6/5(木) 「ナンシー関 大ハンコ展」 渋谷

交流の広場

→時の経つのは早いですね!まもなく2008年も、半分が過ぎようとしています。このメルマガはますますすばらしくなっていますね。編集部に、何か新しい変化がありましたか?【東京 知情人

←知情人さん、お便りありがとうございます!最近編集部には、大変頼もしい記者が加わりました。近いうちに「環境保護」コーナーを設けようと計画中です。読者のみなさんからの、取材ネタの提供をお待ちしています。

→たいへんな時間と努力を費やしていますね。こうしたものを作るのはとてもたいへんだと思います。彼女は才気のある方ですね。【中国 princessyoyo
→とてもよくできていて、食べるのがもったいないですね!(本年第17号の「楽しいアート弁当」を読んで)【中国 楊小女丑

←本当にそうですね。これも主婦の仕事の一部なのでしょう。私はきれいなものは、争って食べますけどね(笑)。こんなに弁当作りの上手なお母さんなら、子供はきっと好き嫌いがないでしょうね。

→ここ数日、毎日ブログで「デザインフェスタ」の画像を楽しんでいます。次回の「デザインフェスタ」は、是非現場に行って見てみたいと思います!【鹿児島 宮下

←宮下さん、「デザインフェスタ」の現場の雰囲気は、写真で見るのより百倍も熱気がありますよ!その全貌をさらに詳しく伝えるために、6月1日に今回の「デザインフェスタ」に関する特別増刊号を発行する予定です。ご期待ください!

【編集部からのお知らせ】
日を追って拡大する中国・四川大地震の被害に、「祖師谷国際留学生会館」の中国人留学生たちが募金活動を行いました。本メルマガの特派員記者の徐亭亭(ジョ テイテイ)も参加しました。5月17日、18日の募金では約120万円集まり、中国大使館を通して被災地へ送る。

配信サイト
運営会社
ALAYA

料理みたいなお菓子たち

以前も本メルマガで、有名な菓子店が販売する「料理のような菓子」をご紹介したが、最近この分野に新しい顔が次々に登場している。びっくりさせられると共に、本物そっくりに作り上げる技巧に感嘆せざるを得ない。おいしそうな料理菓子をご紹介しよう。

キャベツ姫
外観、大きさ、重さなど、すべて本物のキャベツと変わらないキャベツケーキである。味も食感も、そして栄養的にもなかなかのものだ。キャベツケーキの葉は、キャベツをミキサーにかけたものに小麦粉と卵と抹茶を加えてていねいに焼き上げて作られ、野菜特有のかすかな甘みがある。この「葉っぱ」の間に、甘みをおさえた特製クリームをはさんでキャベツの形に作りあげる。一個あたりわずか223カロリーで、普通のケーキの約半分だ。これを持ってパーティに行ったら、きっと注目されるだろう。

ラーメンプリン
プリン博覧会で人々の目を一番ひきつけたのが、このユニークなラーメンプリンだ。プリンをラーメン状に作り上げ、スープには醤油と色が似たカラメルを使い、卵は生クリームで作り、チャーシューや葱やメンマなどにはチョコレートとナッツを使った。口に入れると、視覚と味覚のギャップのために、非常にインパクトがあるそうだ。以前売り出された、コラーゲンを入れたラーメンプリンも、女性たちの人気を集めている。

本物そっくりスイーツ
たこ焼きはシュークリーム、海苔巻きはかぼちゃとほうれん草のムースを入れたロールケーキ、オムライスは薄焼き卵の中にイチゴのムースを包み、イチゴジャムをかけたもの、焼き鳥はみたらし団子、焼き餃子は大福もちである。備後福山虎屋の「本物そっくりスイーツは、今たいへんな人気だ。一方、ケーキハウスアガートも負けてはいない。モンブランで出雲そばを作った「出雲んぶらん」は、モンブランの中にそば粉が入っており、そば粉の香りと栗の甘さがマッチして絶妙なコンビネーションだ。

びっくり&おもしろスイーツ http://www.toriyoseru.com/index-special4.html

渋谷に咲いた傘の花

梅雨の季節がやってきた。日本では、使い捨てが主流のビニール傘が、深刻なゴミ問題を引き起こしている。そこで二人のアーティストから成る「MireyHIROKI」(ミレイヒロキ)とブログサービスのAmeba(アメーバ)がコラボレーションを行い、昨年末に、流行の発信地――渋谷のハチ公広場の前の巨大交差点で、たいへん珍しい公益活動を行った。100人のボランティアがMireyHIROKIのデザインした傘をさして、交差点を渡ったのである。

Amebaカラーである緑の花が、渋谷の中心で鮮やかに開いた。通りがかりの人たちは足を止めて、突然咲いた「花」たちを見つめ、多くの人が携帯のカメラでこの珍しい光景を撮影していた。230万のAmeba会員に対してはブログスキンが提供され、MireyHIROKIのオフィシャルブログも開設され、イベントをサポートした。

昨年MireyHIROKIは、彼らが描いた様々な花によって「LOVE & PEACE(愛と平和)」を訴えた。その後、彼らは渋谷の最もにぎやかな交差点でアートイベントを行おうと計画したが、単独活動ではスポンサーを得るのも難しかった。一方ネットワークサービスのサイバーエージェントは、アーティストやタレントとのコラボレーションを積極的に展開していた。そこでサイバーエージェントのブログサービスであるAmebaを利用してこのアートイベントを推進するということで、意見が一致したのである。

また、普段は使った後捨てられていた透明ビニール傘を加工して再生するという計画も進んでいる。今年初めには、表参道ヒルズでオリジナル再生傘の販売が行われ、渋谷区役所や区内の公共施設にも300本の置き傘が提供された。傘の売り上げの一部は、「きれいな街は、人の心もきれいにする」というコンセプトで環境保護活動を行う団体「グリーンバード」に寄付された。このオリジナルの「アート傘」は、サイバーエージェントの置き傘としても利用され、ブログサービス内にブログを開設したタレントたちにも贈られている。
(C)2008 MireyHIROKI × Ameba

Ameba × 100 UMBRELLAS公式サイト http://content.ameba.jp/100umbrellas/

暖かい風が吹く気持ちのよい初夏の早朝。一人でパソコンの前に坐って、以前に撮った写真を選びながらエッセイの内容を考えていた。その時電話が鳴って、まだ人の少ないオフィスにその音が響きわたった。

受話器からは、ややかすれた年配の日本人男性の声が聞こえてきて、一瞬夢を見ているのか現実なのかとぼんやりしてしまった。「あなたのブログで四川省の地震について読んで、感動しました。私はメッセージを書いておきました……。」半信半疑でブログを開いてみると、先週のフォトエッセイの下に、確かに数行のメッセージがあるのが目に入った。ふと耳元に心を揺さぶるようなギターの旋律が、ゆっくりゆっくりと流れていくような気がした。

「冬来、春不遠(冬来たりなば、春遠からじ)冬の厳しさの中にすでに春は来ているんだね。そうさ、希望ひとつで生きるのさ。健康(家庭、学校、社会、経済、そして震災)生活の挫折は、人生の挫折ではないんだね。そうさ、絶望しないで一歩前進してごらん。あなたの人生がチョッピリ?いや、大きく変わるかも!東京で暮らす中国人さんの祈りと信じる心が北海道のオホーツクブルー(海と空)に伝わってきました。健康留意、ガンバレ!」そして署名は「イランカラプテ(美幌音楽人)」とあった。

受話器を置いて、高鳴る鼓動を静めようと努めながら、去年の9月3日に開設された「美幌音楽人」さんのホームページを開いてみた。北海道美幌町に暮らす60歳のクラシックギター教師、加藤雅夫さんのページである。加藤さんは、音楽を人類の心の財産、人類だけが持つ魂の糧と考え、すべての人と共に音楽の力を分かち合いたいと思っている。そのために、年齢を気にかけることなく、様々な音楽活動を積極的に企画すると共にそれに参加し、さらに世界各国の文化交流事業にも身を投じている。また、北京オリンピックの成功を心から願い、四川大地震の救済活動のために東奔西走している。

さらに先を読んで、私は自分の目を疑った。このように精力的に活躍し、人生を愛する加藤さんが、なんと去年は114日間も入院している。彼はかつて肺の切除手術を受けており、白内障のために両眼の視力の97%を失い、左目はほとんど失明状態という重度の身体障害者なのである。

心の底から静かに涙がわき上がってきて、私の目が少しずつぼやけてきた。加藤さん、あなたはどうやって、右目のわずか3%の視力で、茫漠たるブログの海の中から我々の小さな心の住処を見つけ出してくださったのでしょうか。メッセージを残した後、我々の電話を調べるのに、どんなにたいへんな努力をしてくださったのでしょうか。まだ会ったこともない一人の異邦人に、これまでにないほどの信頼と励ましを与えてくださったことに、本当に心から感謝します。これからの日々、私は加藤さんが教えてくださった、北海道のアイヌ民族の「あなたの心にそっとふれさせていただきます」という意味の言葉を心の中で静かに唱えて、優しいお心に感謝すると共に、加藤さんに心からの祝福を捧げたいと思います。

 「イランカラプテ

 
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