2012年8月3日 第29号(通巻第323号)

デュアルディスプレイのノートパソコン

映画を見ていると、シンプルで清潔なオフィスで、ITエリートたちが一人で二台以上のディスプレイに向かって、キーボードの上で指を飛ぶように走らせているシーンに出会うことがある。我々の実際の生活では、たくさんのディスプレイを備えたパソコンを家に置いている人は少ないだろうが、家でテレビを見ながらネットで仕事をしたりネットサーフィンしたりする経験は、きっと誰にでもあるだろう。特に今はオリンピックが始まっており、試合を見ながらネットで意見を交わしている人も多いに違いない。

だが家を離れると、ニュースでしかオリンピックの情報を得られなくなる。情報ネットワークがこれほど発達した現在、「モバイル機器でテレビ番組を見ながら、パソコンでネット接続したい」というような願いを、技術者たちは自らの信念と知恵によって我々のために実現できるはずだ。オンキヨーは、そうした信念によって、我々のデジタルライフを不可能のないものにしてくれたのだ。

先ごろ発売された「ワンセグチューナー搭載のデュアルディスプレイモバイル」は、普通のノートパソコンの機能を備えた上に、テレビ番組も見ることができる。またデュアルディスプレイの設計によって、我々は一つのディスプレイでテレビ番組を見ると同時に、もう一つのディスプレイでパソコン操作を行うことができるのだ。ノートパソコン部分には、Windows 7 Home Premiumが搭載され、メモリは1GB(最大4GB)、ハードディスクは160GB、機能についても一般のノートパソコンに引けをとらない。デュアルディスプレイを折りたためば、10.1型ノートパソコンと同じ大きさで、携帯にも便利である。

デュアルディスプレイは回転させることも可能で、ユーザーの要求を最大限に満足させている。このように高性能であっても、オンキヨーの品質に対する要求は少しも低下していない。本体が耐えられる静耐荷重は200キロで、堅牢で実用的である。指紋認証システムを配備しているので、ユーザーの情報も安全に保護される。こうした高性能で高品質のパソコンなのに、重量はバッテリーパックを含めてわずか1.8キロである。女性にとっても、軽くて持ちやすい。

オンキヨーには「音響」という意味があり、設立時に「音を最も純粋な形で再生する」ことを目標としたことから名付けられた。65年の歴史の中で、この目標はオンキヨーの様々な製品に浸透しており、我々に「科学技術は人間本位に」ということの意味を教えてくれている。きっと近い将来、さらに便利で実用的な製品を我々に提供してくれるだろう。大いに期待したい。(小雅執筆)

(C)2012 ONKYO CORPORATION Japan.

ONKYO製品情報 http://www.jp.onkyo.com/pc/personalmobile/dx1015/

人に優しい吉田いす

車椅子と言うと、誰もが病院やギブス、患者が車椅子に乗るのを助ける看護師などのイメージから離れられない。車椅子の人と、それをどこまでも押していく人とのロマンチックで感傷的なイメージを連想する人もいる。だが怪我をした人や病気の人にとって、入院して治療を受ける時間は人生の中の一部に過ぎないし、友人がいつも付き添って身障者のように介護することを望んでいるとは限らない。生涯にわたって車椅子を必要とする人々にとっても、車椅子はもっと自由で便利で生活しやすいものとなり、彼らが一人で活動したり、周囲と関わったり、自由に行動したりするのを助ける道具であるべきである。

井上和夫さんの友人、吉田さんは、筋ジストロフィーを患って車椅子なしでは生活できなくなった。このことをきっかけに井上さんは身障者のための仕事に取り組み始め、数年の研究開発の結果、スマートで生活しやすい木製の電動車椅子や、車のシートを使った4輪駆動車、横方向に動く全方位車などを開発し、友人の名前を取って「吉田いす」と名付けた。吉田いす「ローズ・ティルト」は従来の車椅子のような金属の冷たい外観ではなく、見える部分はほとんど木質構造であり、温かい感触で、生活の雰囲気ともぴったり合っている。全体の体積も普通の電動車椅子より小さく、ユーザーは自由かつ柔軟に操作して狭いところにも入ることができる。全ての吉田いすは電動車椅子としての機能が完備し、前進と後退の速度が調節できるなどの基礎的機能を備えている。また、MoonWalkといういすは横方向の水平移動や座席の高さの調節も可能になっている。これらの機能はすべてユーザーの立場に立って開発され、操作は簡単でユーザーの気持ちに沿っており、患者の身体上の要求を満たすだけでなく、一人で生活するための尊厳と自由を与えている。

身体の自由が利かない人々にとって、心理的なストレスが彼らに与える苦痛は、身体的不自由そのものより大きいとは言えないかもしれない。駅の改札機が常に右側にあって左利きの人に便利な左側にはないのと同じように、この世界では多くのものが多数者のために作られている。そのため、「少数者」がもっと健康的かつ便利に、自信を持って自由に暮らせるようにすることは、「多数者」が常に追求すべき課題であり、一つの国が人に優しく人道的であるかを世界が判断する指標の一つともなっている。欧米では、身体が不自由で車椅子で生活していても、充実した生活を送っている人は少なくない。そして吉田いすが作られたのは、正に日本、アジア、そして世界各国の身体が不自由な人々にもっと快適で楽しい生活を送ってもらうためなのだ。一般の人々が普通にできることをするのに、身障者は何倍もがんばる必要があるかもしれないし、現在の科学技術のレベルではまだ彼らを助けることは難しいかもしれない。しかし、楽観的にできる範囲でがんばり、毎日の生活を愛することが、身障者であるか健常者であるかを問わず、すべての人々の共通の人生の主旋律であることを願っている。(李薊執筆)

写真提供:株式会社メックデザイン

メックデザイン/吉田いす http://www.mec-design.jp/


日本の文学賞の楽屋裏

川端康成、夏目漱石、大江健三郎、村上春樹など、日本の近現代の文豪は枚挙にいとまがない。それに対応するように、文学賞も非常にたくさん存在する。これらの文学賞を設けた最初の目的は、作家が成長してたくさんの作品を生み出すように励ますことであった。だが、これらの文学賞は一体どのように選考されるのだろうか?我々中国人だけでなく、多くの日本人も知らないだろう。数年前、翻訳家の大森望さんと作家の豊崎由美さんの共著「文学賞メッタ斬り!」で、日本の二つの大きな文学賞、芥川賞と直木賞の選考の内幕について、初めて全面的に語られた。

芥川賞は文豪芥川龍之介の名前を冠した文学賞で、文芸春秋社の創始者で芥川の生前の友人である菊池寛が1935年に創設した。日本で最も権威のある、新人作家賞と言える。一方直木賞も、1935年に菊池寛によって創設された。その名前は、菊池のもう一人の友人である直木三十五から取られた。芥川賞と同様、直木賞も最初は新人賞だったが、その後次第に日本の中堅作家を励ます賞に転換していった。

二つの賞の選考を行う文芸春秋社では、対外的には、「日本文学振興会の選考委員によって選出」と述べている。選考委員には、渡辺淳一や村上龍などの著名な作家が含まれている。だが、「文学賞メッタ斬り!」では、この二つの文学賞の選考は3つのステップで行われ、選考委員はあまり責任のない最後のステップだけを担当していることが明かされた。

まず、350名ほどの歴代受賞者、文芸評論家、文学メディアの記者たちにアンケート調査を行い、それによって60〜70の作品を推薦する。第二段階として、これらの作品を文芸春秋社の20名あまりの担当者に渡して読んでもらう。これらの担当者は4〜5人が一組となって、すべての候補作品に点数をつける。点数の高かった5〜7作品だけが、選考委員の手に渡され、最後の受賞者が選ばれる。つまり、文芸春秋社の担当者が多数の作品の浮沈を事実上決定しているというのだ。

このような選考制度では、当然不思議と思える結果も出てくる。今年の選考では、新人賞である芥川賞の受賞者は35歳だが、中堅作家のための直木賞の受賞者は32歳だった。年功序列を重んじる日本では、これは不思議な現象ではないだろうか?(凱特執筆)

「文学賞メッタ斬り!」 http://www.ne.jp/asahi/kaeru/bungei/metta/mettagiri1.html


ロングライフデザイン賞

東京ミッドタウン内のデザインハブで、8月17日から9月26日まで「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」の作品展が開催される。日本のデザインの水準を示すこの賞の受賞作品は、長年人々に愛され支持されてきたデザインばかりで、歳月を経ても色あせることがなく輝き続けており、無限の魅力を感じさせる。展覧会では、これまでに受賞した20点あまりの作品が展示されると同時に、デザインを手がけたデザイナーやメーカーのインタビュー映像も上映される。

今回の展覧会では、これまでの受賞作品を三つの大きなグループに分けている。一つ目は「日本から世界に広がるロングライフデザイン」で、その代表的な作品には、白山陶器の「醤油注」、大日本除虫菊の蚊取り線香「金鳥の渦巻」、日清食品のインスタント麺「カップヌードル」、リコーのカメラ「RICOH GRシリーズ」、ボスのエフェクター「BOSSコンパクト・エフェクター・シリーズ」などである。二番目は「産業を支えるロングライフデザイン」で、ニコンの生物顕微鏡「エクリプスE200」、兼古製作所のドライバー「アネックスドライバーNo.6000 No.6300シリーズ」トプコンの測量機「オートレベルAT-G6」などである。三番目は「質の高い公共性をもたらすロングライフデザイン」で、トヨタ自動車の「クラウンコンフォート」、東洋佐々木ガラスの「強化グラス・スタックタンブラー」、愛知のスタッキングチェア「テクス(デイライト)」などである。

今年の10月1日に発表される最新のロングライフデザイン賞候補作も、初めて公開される。展覧会への来場者は、自分の支持する作品にコメントを書き込むことができ、そのコメントが今後の審査に反映される。コメントを書き込めるのは8月31日までである。これは来場者参加型の展覧会であり、新しいロングライフデザイン賞の決定は来場者の感性にかかっているかもしれない。これもまた、本イベントが注目される点である。(ff執筆)

東京ミッドタウン・デザインハブ 第35回企画展 「わたしたちのロングライフデザイン」展
会期:8月17日〜9月26日 休館日:9月10日(月)
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ 東京都港区赤坂9−7−1ミッドタウン・タワー5F 入場料:無料
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ 企画・運営:公益財団法人日本デザイン振興会

写真提供:公益財団法人日本デザイン振興会

デザインハブ http://www.designhub.jp/ (日、英)


絶対食べるべき日本のかき氷

あ〜、暑い!毎日35度以上の酷暑の中にいると、冷たくておいしいかき氷は、正に今すぐ命を救ってくれる仙人の妙薬のようなもので、食べた瞬間に暑さを和らげてのどの渇きをいやし、うっとりと幸せな気持ちにしてくれます。今日は私の大好きな、絶対食べなければいけない三種類のおいしい日本のかき氷をご紹介しましょう。

まずイチオシなのは、私が2011年9月に伊勢神宮の取材に行った時、内宮付近の「おかげ横丁」という商店街で食べた「赤福氷」です。食べたことのない人は、この名前をすごく特殊なものに感じるかもしれません。でも詳しい人なら誰でも、伊勢神宮で最も人気のあるお土産が赤福という名前のお菓子であることを知っています。柔らかくて歯ごたえのある餅の外側を口どけのいいあんこがしっかり包んでいて、一口食べたらやみつきになること間違いなしです。熱いお茶を飲みながらこのお菓子を食べると、とても幸せな気持ちになります。問題は、暑い日に食べるとちょっとのどを通りにくいということです。そこでこの店では、毎年夏になると、期間限定のかき氷バージョンを発売するのです。それは、香りの高い抹茶蜜をかけたかき氷の中に、赤福の材料であるあんこと餅を入れたもので、「赤福氷」と名付けられました。1961年に発売されてから今まで飛ぶように売れ続け、五十年以上の間、夏の店先はいつも人でいっぱいです。ですから、みなさんが赤福氷を食べたいならば、行列を覚悟する必要があります。この絶品は、赤福の五十鈴川支店で食べることができます。

次にお薦めしたいのが、日本の縁日で寺院の周辺に集まった屋台で売られているかき氷です。不思議なことなのですが、かき氷の上に赤や緑や青のシロップをかけただけのこの簡単な味が、実に魅力的なのです。平安時代にすでに同じような食べ方が登場していると言われていますが、日本で最初のかき氷機は、1887年に村上半三郎が特許を取ったものだそうです。西洋風のアイスクリームやスムージーもなかなかおいしいのですが、私はこの懐かしい気持ちがする、爽やかで低カロリーの日本式かき氷の方が好きです。あまりに気に入ったので、その後私はかき氷専用のシロップを買って、家でも作るようになってしまいました。炎暑の日に食べると、もうおいしくて夢中になってしまいます。

最後にご紹介するのは、厳密に言うとかき氷ではなく、冷たい創作デザートです。これは北海道の富良野限定のメロンソフトクリームです。手に持って食べる普通のソフトクリームとは全然違って、半分に切ったメロンの上に濃厚なソフトクリームを載せたものなのです。この食べ方を発明した店では、この商品を「サンタのヒゲ」と名付けています。値段は一個1000円です。この他にも、アイスクリームの上に十勝産の小豆を載せた「サンタのへそ」があり、値段は1100円と安くはありません。でも、甘くておいしい北海道のメロンの果肉とアイスクリームを同時に味わえ、食べ方がとても新鮮で、口当たりも爽やかでしつこくありません。私は2007年に富良野に行って一回食べましたが、それからずっと恋しく思っていて、是非もう一度食べたいと思っています。(哈日杏子執筆、撮影)

サンタのヒゲの専門店 http://www8.ocn.ne.jp/~popura/index.html  哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)


第29回 特別編:神楽坂の阿波踊り

【神楽坂の概要】東京都新宿区にある500メートルほどの坂道で、昭和時代には最も繁華な「花街」であった。狭い場所に600人以上の芸者と百軒にものぼる料亭が集まり、「小京都」と呼ばれていた。今でも古い日本の雰囲気をたたえる一方、微かに西欧の雰囲気もあり、東西文化がそろっていて、観光客は楽しくて帰るのを忘れるほどである。華人たちは、フジテレビのドラマ「拝啓、父上様」で神楽坂の名前を知った人が多いだろう。

【神楽坂の規則】ここでは全国でも珍しい逆転式一方通行の交通規則を実施している。自動車などの進行方向が、午前は「坂上→坂下」だが、午後は「坂上←坂下」になる。昔、田中角栄首相が自分の家から出勤した時の方向に従ったと言われているが、実際は激増する交通量のためにこのようになったのだそうだ。1956年に、都心から西側の住宅地に向けた一方通行になり、1958年に現在の逆転式一方通行の規則ができた。

【神楽坂の祭り】今年、神楽坂の祭りは第41回を迎える。4日間の間、ゆかたを着てここの店舗で食事や買物をした人は、特別サービスを受けられる。東京都内で最も早く開催され、今まで続いてきた「阿波踊り」が、祭りを最高潮に高める。各地からやってきた20の連(グループ)が、神楽坂をゆっくり進み、すばらしい踊りを展開する。最後の晩の子ども阿波踊り大会も見所である。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「赤い提灯」
場所:毘沙門天(善國寺)
撮影のポイント:対角線に傾斜させて、できるだけ目の前から遠くまでの提灯の流動感を作り出し、光をまばゆくさせると共に、画面に活力を与える。テーマと関係のない景観はできるだけ画面に入らないようにする。
使用フィルタ:Kelvin+彩度−フレーム(オレンジの提灯をクローズアップし、フレームを除去して情報量を増す。)
タイトル:「躍動」
場所:神楽坂上の交差点附近
撮影のポイント:iPhoneの暗い環境での低速シャッターを使い、躍動感のある画面を作り出す。踊る人物は、近くから遠くへと大きさが小さくなる。笛の音や音楽、踊りのリズムが聞こえてくるようだ。
使用フィルタ:Hefe+彩度(灯りを強調すると共に、服装の質感を際立たせる。フレームの装飾効果。)

タイトル:「お祭りが大好き」
場所:神楽坂上の交差点附近
撮影のポイント:しゃがんだ姿勢で撮影し、子どもの視線と同じ高さにする。大人の整った踊りの歩みと異なり、様々な動きや表情をする子どもの姿を撮ることができ、「萌え」の鑑賞効果を作り出す。
使用フィルタ:Lofi+彩度(暗部を明るくし、子どもの皮膚の色を魅力的にする。フレームの装飾効果。)
タイトル:「神楽坂!神楽坂!!神楽坂!!!」
場所:神楽坂上の交差点附近
撮影のポイント:iPhoneを高く掲げ、レンズをやや下に向けて撮影する。美しい後姿で画面の半分を構成する踊り手も、道の両側で夢中で拍手する観衆も、灯りや提灯も、堂々とした交響曲を奏でている。
使用フィルタ:Kelvin+彩度−フレーム(空気が燃えるようだ!フレームを除去して情報量を増やす。)

東京神楽坂ガイド http://kagurazakaguide.web.fc2.com/

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