「地球温暖化」「−6%」「クールビズ」「エコ」「環境配慮」など、近頃こういった言葉を至るところで見聞きする。「環境に優しい」を歌った商品や取り組みをアピールしたり、地球に優しいライフスタイルを呼びかけるためだ。
 
2005年、日本が締結した「京都議定書」が発行され、日本は2012年までに温室効果ガスを6%削減することを義務付けられた。その目標に向けて、政府・企業・団体などが様々な取り組みをしている。例えば「チーム・マイナス6%」は二酸化炭素6%削減を達成するための国民活動で、すでに100万以上の会員と1万以上の団体がこのチームに参加し、実践している。また、本メルマガでも紹介した「打ち水大作戦」は「日時を決めて、残り湯などの二次利用水を使って、みんなで一斉に打ち水をする」というイベントで、気温を下げることができる打ち水の良さをアピールしている。しかしこれらはほんの一部にすぎず、地球の明日のために奮闘しているエコ商品や活動が多数ある。(謝晨執筆)
●ソーラーかばん
地球のために省エネ・創エネする時代である。ソーラーパネル(太陽電池)を家の屋根などに設置して発電するのは随分普及してきたが、それを更に気軽に使おうと発明されたのが「ソーラーかばん」である。普通のかばんの外部一面にソーラーパネルを取り付け、持ち歩くだけで、太陽の熱で電気を作ることができる。充電アダプターを取り付ければ、携帯電話などの電池が急に切れても安心だ。バリエーションも増えつつあり、普及すれば大量のエネルギーを節約できること間違いなし。
マイ箸
日本では年間約250億膳の割り箸が消費されている。そのために一分につき約30ヘクタールの森林が失われている。今、割り箸の不使用や割り箸の利用を呼びかける団体が多くあり、マスコミにも取り上げられている。最近人気女優の上戸彩さんもマイ箸を始めたそうだ。いつもマイ箸をポケットに入れていき、「箸はいりません」というのが快感だという。

マイ箸を持ち歩く人のネットワークとして生まれたこのマイ箸クラブは、今800人以上のメンバーが加盟して、活動をしている。メンバーには多くの作家・教授・アーティスト、団体もあり、日に日にその影響力を増している。マイ箸を持っていくとサービスをしてもらえるお店やマイ箸を推進している企業・学校などをも紹介している。
 
今日本の割り箸の95%は中国から輸入していて、それが深刻な森林伐採につながっているが、日本産の割り箸は間伐材や製材残材を利用しているので、森林破壊にはつながらない。「アドバシ」とは広告入りの割り箸のことで、英語の「advertisement」(広告)からきている。これを日本産の割り箸にのみ使用することで、日本産割り箸の利用を促して森林保護に役立てようというのだ。2003年、NPO法人「エコメディア・ファンデーション」が大妻女子大学とコンビニエンスストアのミニストップの協力を得て開始させ、新しい広告媒体を生んだ。
Artists’ Power
ピアニストの坂本龍一さん、GLAYのTAKUROさん、Mr.Childrenの櫻井和寿さん、NPO法人のエコロジーオンラインが立ち上げた「環境問題・自然エネルギー啓発プロジェクト」である。

自然エネルギーによる「グリーンコンサート」を実現させるなど、環境問題への意識喚起を呼びかけている。2001年に三人の自己出費のもと、非営利団体ap bankを設立し、環境プロジェクトに低利子で融資を行う。また2005から年に一度、三日間にわたり、環境問題について知り、考えるというコンセプトで「ap bank fes’」という音楽野外イベントを開催している。約50のアーティストが「BANK BAND」を結成し参加している。
●カップヌードル
日清が開発した世界初のカップラーメン「カップヌードル」。おいしくて便利だが、どうしてもカップなど大量のゴミを出してしまう。そこで今日のエコ時代に合わせた「カップヌードルリフィル(詰め替え)」を発売した。

これはマイヌードルカップと麺のリフィルのセットで、二回目以降はリフィルだけを購入する仕組みになっている。マイヌードルカップはふたつきのしっかりしたつくりで、好みのデザイン紙を入れたオリジナルを作ることもできる。リフィルは味・量などは以前の商品と変わらず、真空包装等でパッケージのコンパクト化に成功した。省資源・省スペース・ゴミの低減を実現した商品で消費者のエコ意識を高め、カップラーメンのエコスタイルを提案した。
エコバッグ
スーパーなどでもらうビニール袋の約3割はゴミとして捨てられている。ビニール袋は地中に埋めても腐敗せず、焼却しても焼却炉を傷め、リサイクルもできない。そこで最近注目されているのが「エコバッグ」。

「買い物バッグ」「マイバッグ」ともいい、消費者が買い物の際に持参して、買った商品を入れるためのバッグのことで、スーパーによっては使用者にお店のポイントを与えたり、レジ袋の有料化を始めるなど推進している。週一度エコバッグを使えば、約40億枚のビニール袋を削減できるのだ。すでに持ち歩く人も多く、ますます注目されているエコなライフスタイルとなっている。

例えば、イギリスのブランド、アニヤハインドマーチが発売したエコバッグ「I’m not a plastic bag」はリーズナブルな値段と限定品というキャッチフレーズでイギリス・アメリカ・香港・台湾に一大センセーションを巻き起こした。イギリスで一時間に二万個売れるなど、即完売状態だという。日本でも今月14日から主要3店舗で発売が開始したが、人々が殺到し大混乱を招いたほどである。

日本百貨店協会が販売するMyスマートレジ袋は完全循環型リサイクルシステム「エコサークル」によって再生されているポリエステルを使用しており、使用後もポリエステル繊維にリサイクルできる。また本協会に入会している百貨店もそれぞれオリジナルのエコバッグを展開していて、デザイン性も優れているので、環境に貢献できるだけでなく、いつものお買い物ももっと楽しくなるだろう。

大手下着メーカーのトリンプは環境問題への世間の関心を喚起するため、買い物袋としても使えるブラジャー「NO!レジ袋ブラ」を製作した。ブラジャーの内側に「エコサークル」で再生されたポリエステル繊維を使ったバッグを折りたたんで内蔵し、パッドとしての役割も果たしている。これまでも「リサイクルPETブラ」「eco地球儀ブラ」「ウォームビズブラ」といった環境問題への関心を喚起した製品を発表しており、今後のエコ商品にも期待が寄せられる。
先日、世界各地で異常気象が起きているとの報道を見た。ヨーロッパではアスファルトが溶けるほど猛暑が続き、死者を多く出している。その一方で南米は数十年ぶりの低気温を記録し、降雪が続いているという。「地球温暖化」はまだまだ未来のことだと思っていたが、こういった異常が「温暖化はすぐそこまで来ている」と私たちに警鐘を鳴らしている。
 
環境保護を述べるとき、“Think globally, Act locally”という言葉があり、「地球規模で考え、足元から行動する」という意味である。あなたの自動車がアイドリングをしているとき、干ばつの弊害を受けている農民のことを思い浮かべてみてください。クーラーをガンガン効かせているとき、海面上昇で行き場をなくす人々を思い浮かべてみてください。きっと心が痛むはずです。冷房の設定温度を1℃上げる、トイレットペーパーを1cm短く使う、シャワーの時間を1分間減らすなど、あなたのできることから初めてください。そしてそんな自分を褒め称えて、その喜びを家族や友人に伝えて、広めよう。

中国の歌の歌詞に「只要人人都献出一点愛、世界将変成美好的人間(一人ひとりが少しずつ愛を捧げれば、素晴らしい世界になることでしょう)」という言葉がある。あなたのその小さな愛があなたの子供に青い空をプレゼントするのだ。

チーム・マイナス6% http://www.team-6.jp/