最新式の健康診断を実感する
最近日本各地では、中国の富裕層向けに次々と斬新な旅行サービスが生まれている。景色の美しい観光地の医療施設では、最先端の画像診断装置を使って総合的な健康診断を行い、それに懇親会やゴルフ体験なども加えたとても豪華な体験旅行を行っており、数百万円もかかるのに需要を満たしきれないほどの人々が殺到しているそうだ。伊豆や日光などのもともと有名な観光地でも、温泉を楽しんだ後に、中国語の分かる看護師に付き添ってもらって健康診断を行い、中国語で健診結果を受け取ることができる。日本への観光客にとっては、正に一挙両得と言えるだろう。
物心がついてから病院とはほとんど無縁の私にとっては、わずか1回の健康診断に、一般のサラリーマンの1年分の収入を使うなどということは、想像することもできない。そこで自分の価値観の修正を図るべく、年に1度の会社の健康診断の機で、新式の健康診断に行ってみたのだが、健康診断サービスを実体験して、大いに視野が広まることになった。
東新宿の「フィオーレ健診クリニック」の入口を入ると、高級ホテルのような歓待を受ける。男女で階が分かれており、保育室も整っている。除菌スリッパが用意され、靴箱は一般の靴も高めの靴も入るように、高さがいろいろになっている。手続きをすると、更衣室で真新しい健診服に着替える(ソックスは使用後持ち帰ってもよい)。準備ができると、多数の看護師さんが1人ずつ、健診の全行程を案内してくれる。
手首に腕輪のようにRFID(ICタグ)をつけているので、検査場所に行くとそれを読み取ることで、受診者の氏名や、既に終わった検査、まだ行っていない検査、さらには前回の検査結果まで知ることができる。順番を待っている間は、ゆったりとしたバックグラウンドミュージックの中で柔らかいソファに座り、後ろの書架にある写真集や雑誌を手に取ることができる。30分ほどの健康診断が、あっという間にすべて終わってしまった。
検査の前には食事ができないので、検査後にはクリニックが特別にお茶とお菓子を用意してくれる。この最後の温かいサービスには、本当に嬉しくなる。看護師さんたちも優しく親切で、お医者さんたちも知識が深く、受診者はまるで自宅で健診を受けているようにゆったりとした気持ちでいることができる。もちろん、私が受けた健康診断は前に述べたような超高額のサービスではないが、ごく普通の基本的な健康診断でもこのように完璧でしっかりしているのを見て、この分野全体の素晴らしさについて、その一斑を見ることができたと感じている。(姚遠執筆)
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