2012年6月29日 第24号(通巻第318号)

大和乙女画家・撫子凛

日本女性と言えば、多くの人は、和服を着て男性の後から付いていく姿をイメージするだろう。そう、優しくて、謙虚で、伝統的な姿こそ、多くの映画やドラマで作りだされた日本女性のイメージなのである。だが「大和乙女画家」の撫子凛(なでしこ・りん)さんによれば、日本女性はか弱い外見の下に強靭な心を持っていると言う。彼女たちは毅然としていて、聡明で、豊かな精神性を備えているのである。

撫子凛さんは、日本文化を熱愛する女性画家である。1984年生まれで、これまでに「骨と音楽」「凛波展」「乙・闘・女−オトメ−」などの個展を開催してきた。彼女の作品は基本的に日本の少女が主人公であり、大和絵や浮世絵などの日本古典美術を解体して、現代のサブカルチャーやアニメなどと融合させて、日本文化を深く考えながら独自の現代的な画風を構築している。

撫子凛さんは小さい頃からたくさんの漫画やアニメに触れ、子どもの時は漫画家になりたかったが、高校時代には油絵を始め、卒業後は美術専門学校でグラフィックデザインを学んだ。80年代生まれの特徴として、子供の頃最も好きだったのは、当時国内外で大人気の「美少女戦士セーラームーン」だった。この作品が、その後の彼女の創作に大きな影響を与えている。彼女の描く人物はみな「可愛い・動かしやすい・わかりやすい」という特色を持っており、どの少女も聡明で強く、セクシーで美しい。これこそ正に撫子凛さん自身が考える理想的な女性なのである。「富嶽蛇遊戯図」という絵の中で、彼女は斬新な考え方で女子高生と巨大な怪獣を一緒に描き、富士山を背景とし、強いコントラストによって日本の少女の大胆さと冷静さを表現している。

なぜ日本の伝統的技法で現代のテーマを表現するのかということについて、撫子凛さんは、日本の芸術が好きなのは、自分が日本の心を持っているからだと言う。彼女の心の中では、日本の美術が世界でいちばんすばらしい。彼女は葛飾北斎、尾形光琳、狩野永徳、伊藤若冲などの日本の画家が好きで、絵だけでなく、和服や建築、工芸などにも興味を持っている。そしてそれらに現代的なテーマを加えるのは、より多くの共通点を作り出してこの時代に生きる多くの人々の目を惹きつけたいからだそうだ。日本は平和で平穏で、住むのにはいい国だが、不思議なことに日本国民の幸福度は非常に低い。撫子凛さんはこれについて、みんなが周囲のすばらしさに気づいていないからだと言う。そして彼女は、自分の描く絵によってもっと多くの人々に心からの幸福を感じてほしいと願っているのだ。(Michelle執筆)

画像提供:撫子凛

撫子凛【凛音Rinne】 http://nadeshicorin.com/index.html (日、英)


マイナス2℃の超爽快ビール

日本に旅行に行くと、その高度に発達した大都会と、爽やかな自然の田園風景との間で、帰ることを忘れてしまいそうになる。だが自由旅行でもツアー旅行でも、夜のとばりが降りる頃になると、ショッピングセンターも観光地も次々に閉まってしまう。そんな時、ホテルでゆっくりする以外に、何ができるだろうか?今年の5月以降、夜の日本にまた一つすばらしい場所が生まれた。――アサヒビールが、全国4つの大都市に独特の雰囲気の超爽快なビールバー「エクストラコールドBAR」を開設したのである。さあ、みんなで本物の日本のエクストラコールドを飲みに行こう!

エクストラコールドは、ビールの生誕地であるヨーロッパでも不思議なものとして捉えられている。純正なヨーロッパのビール、特にミュンヘンビールは、芳醇な麦の香りが味わえなければ意味がない。だから、ビールを冷凍する技術はヨーロッパ人の発明ではあるが、純正の生ビールは必ず常温で飲まなければ、本物の味を味わうことはできないとされている。

だが一方で、生ビールの芳醇な香りをすべての人が好むとは限らないし、生ビールは新鮮な牛乳と同じで、すぐに飲まなければたちまち変質してしまう。無菌ろ過したり、糖分を抑えたりした生ビールは健康にもよく、保存にも便利だが、すでに生ビールの味わいは失われている。しかしビールもやはり酒の一種なので、糖分を除去すると酒の味が爽やかになり、さらに冷凍するとこの爽やかな感覚がさらに倍加するのだ。

アサヒのエクストラコールドBARの他にはない特徴は、究極のエクストラコールドを提供するということである。我々は純水の氷点は摂氏0℃で、海水などの非純水の氷点はそれよりやや低いことを知っている。ビールもやはり同じだが、エクストラコールドBARには独自に開発されたドラフトタワーが設置され、ビールの温度が厳格に摂氏氷点下2℃に制御されている。これは、もうちょっとで氷結するというぎりぎりの温度である。それだけでなく、バーに置かれたテーブルも特製だ。小さな四角形のテーブルの四隅に、それぞれグラスを入れる穴が開いており、グラスをそこに入れて、おしゃべりしながら氷点下のビールの絶妙な味をゆっくり楽しむことができるのだ。

現在アサヒのエクストラコールドBARは東京の銀座、名古屋の栄、大阪の心斎橋、福岡の天神に開業しており、近未来の雰囲気を持つドラフトタワーを自分で操作することができる。エクストラコールドは一杯の価格が550円である。友だちを誘って、大いに飲もうではないか。(凱特執筆)

(C)ASAHI BREWERIES,LTD.

エクストラコールドBAR http://www.asahibeer.co.jp/superdry/extracold_bar/



坪井浩尚の最新作

「OMEGA」と名付けられた椅子は、前脚と背もたれが継ぎ目のない滑らかな「オメガ」の文字に似た形になっており、厚さ4mmの木材から作られている。湾曲の中に帯状の流線型が表現され、優美かつシンプルだ。これはARFLEX JAPANより発売された、デザイナー坪井浩尚さんの新作、「OMEGA」である。

坪井浩尚さんは東京生まれ、静岡育ちのデザイナーで、柔らかで人に優しい家庭用品のデザインを得意としている。作品はゆったりとして落ち着いており、シンプルで自然で、本来の姿に立ち返るような素朴なイメージに溢れている。「OMEGA」を例に取ると、背もたれと前脚が、流れる水のように、変化することも折れ曲がることもない曲線になっていて、視覚的に緊張を和らげる効果があるだけでなく、曲線の形状が人体工学に基づいて綿密に計算され、人が坐った時に肘や身体を置く位置がもっとも快適な姿勢になるように作られている。椅子全体が、どの角度から見ても隙のない美しい一体感を見せており、まるで緩やかに流れる音楽が凝固して具象的な実体になったかのようである。

過去の多くの作品の中でも、坪井さんは細やかで独特な考え方を展開している。例えばこの優美で精巧な「サクラサクグラス」である。丹念に磨き上げられ、薄墨色や淡いピンクのグラデーションを見せるクリスタルが、五枚の花びらを持つ古典的な桜の花の造型になっている。水を注いだ時に光が揺れ動いて作る模様にも、空のまま置いた時のガラスそのものの静かな色にも、桜の細やかさと優雅さが表現されている。さらに巧妙なのは、グラスの底の線描の印鑑のごときデザインである。冷たい飲み物を入れて表面に露がついたグラスをテーブルクロスや紙の上に置くと、水分が底部の桜の造型に沿って布や紙の上に移り、優雅な桜の形を残す。その後、水分の蒸発と共にこの桜の形も春の桜のように次第に色あせて消えていき、時間の推移に伴って変化する、動きのある美となるのである。

坪井浩尚さんは一つのデザインの中で自分のデザインへの考え方を語る。人々の気持ちや感覚は周囲のものの影響を受ける。 例えば茶道でお茶を頂く時には、芸術的な茶碗を用い、女性は和服を着て、普段とは異なる言葉づかいや動作をする。それと同じように、生活の中の小さな部分が人々の豊かな情感を喚起し、価値観に影響を与えることすらあり得るのだ。たとえ生活の中のほんの小さな部分に存在するものであっても、坪井さんのデザインしたものが私たちに柔らかで素朴な楽しさをもたらし、私たちを忙しい日常の中から解放して癒してくれるに違いない。(李薊執筆)

写真提供:(C)Nozomu Matsunaga/(C)ARFLEX JAPAN

坪井浩尚公式サイト http://www.hironao-tsuboi.com/  ARFLEX JAPAN http://www.arflex.co.jp/



キデイランド原宿店がグランドオープン

キデイランドは、1946年に「橋立書店」を前身として創業した、玩具やキャラクターグッズの老舗の専門店である。1950年に表参道に移転し、1959年からは「キデイランド原宿店」を店名に揚げるようになった。その後60年以上の間、原宿・表参道のおしゃれなランドマークとして大きな役割を果たすと同時に、東京全体の流行をリードしてきた。日本国内だけでなく、海外にも勇名を馳せている。マイケル・ジャクソン、ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリーなど、多くの有名人がキデイランドを訪れているのだ。近年、建物が老朽化したため、キデイランドは2010年6月に現在の旗艦店を大規模に改築することを発表し、店舗を一時的に表参道近くのキャットストリートに移転した。

そして2年間の改築工事を経て、ついに今年の7月にキデイランドは元の場所でグランドオープンすることになった。グランドオープン後のキデイランド原宿店は、売り場面積996平方メートル、地上4階、地下1階である。店内にはスヌーピータウンショップ原宿店、リラックマストア原宿店、ハローキティショップ原宿店、ディズニーアベニューなどがあり、あちこち探し回らなくても、ほしい玩具がすべてここで手に入る。また、旗艦店としての魅力を倍加するために、キデイランド原宿店では「原宿店限定商品」を販売している。「ここでしか買えない商品」と聞くと、今すぐにでも買いに行きたくなってしまう!そして「すべての人」が玩具を買う楽しみを味わえる玩具天国を作り出すために、店内にはバリアフリー施設が整っているし、世界各国からのたくさんのお客さんに対応するために、店内には外国語のできるスタッフが配置されている。

地下1階のスヌーピータウンショップ原宿店では、「Happiness is…a warm puppy」をテーマとしており、スヌーピーだけでなく、「ピーナッツ」の仲間たちとも出会うことができる。このショップでは、「ピーナッツ」の仲間たちが遊びや勉強を通じて笑ったり泣いたりする様子を見ることができ、まるで彼らがすぐそばで生活しているように感じられる。2階のディズニー アベニューで我々を迎えてくれるのは、ディズニーファミリーの仲間たちである。ここでは誰もが年齢を忘れて子供の頃に帰り、幼い頃に大好きだったキャラクターを持ち帰ることができる。

ここまで読んで、みなさんはもう待ちきれなくなったのではないだろうか?もちろん「キデイランド原宿店」の魅力はこれだけではない。みなさんが是非自分で訪れて、魅力を発掘してほしい。7月1日、新生「キデイランド原宿店」が、みなさんの来店を待っている!(小雅執筆、咫尺撮影)

キデイランドへようこそ! http://www.kiddyland.co.jp/(日、英)



わらび餅で涼しくなろう

まもなく炎暑の夏になります。毎日高温の中を通勤通学するのは、とても辛いことですね。この時期になるとみんな暑くて食欲がなくなるので、多くの飲食店ではお客さんを呼ぶために、暑さを吹き飛ばす爽やかな食べ物を売り出します。私の暑さ解消法の一つは、冷たいわらび餅を食べることです。

すべての和菓子の中で、私が食べても食べても飽きないのがこのわらび餅です。口に入れるととても甘くて、乾いた食感のある他の日本のお菓子と違って、わらび餅はお茶を飲みながらでなくてものどを通りやすく、食感も弾力性があり、清涼感があって食べやすく、値段も安いのです。私は日本に行くたびに、コンビニやスーパーに駆け込んでたくさん買って、大いに楽しみます。

わらび餅は澱粉、水、砂糖を使って作る和菓子です。主な原材料が「わらび」の根から取られた澱粉(つまりわらび粉)なので、わらび餅と呼ばれます。奈良県はわらび粉の名産地なので、奈良とその近くの京都にはたくさんのわらび餅の店が見られます。わらび餅の形は店によって異なり、三角形、四角形、球形などがありますが、すべてに共通した特徴は透明であることです。普通、わらび餅はきな粉と黒蜜をかけて食べることが多いですが、最近は抹茶を入れて作った緑色のわらび餅の外に抹茶をつけたり、黒糖を加えた茶色の黒糖わらび餅などの新しい味も登場しています。餅と呼ばれるのは、粘り気があって弾力性があるという意味です。冷蔵庫で冷やして食べると、その爽やかで弾力のある食感は絶妙のおいしさで、抗えない魅力があります。

わらび餅の魅力に夢中になったのは私だけではなく、日本の第60代天皇である醍醐天皇は、あまりにもわらび餅を愛したため、わらび餅に「太夫」の称号を与えたと言われています。そこでわらび餅には別名として、大蔵虎明能狂言集(大蔵虎明本)に「岡太夫」という古名が記載されています。わらび餅は作り方が簡単で、多くの材料も必要ではないので、昔から日本の農家では農作物が少ない時の非常食でもありました。こんな小さなわらび餅にも、いろいろないわくがあるとは驚きました。食感もよく、涼感もあるので、夏の和菓子として販売されるわらび餅は、お中元としても人気商品です。夏に食欲がない時は、わらび餅を試してみてください!(哈日杏子執筆、撮影)

簡単だよスーパーの!?わらび餅〜 http://cookpad.com/recipe/378256  哈日杏子のブログ http://harikyoko.wordpress.com/ (中、日)



第24回 代官山

【代官山の雰囲気】東急東横線の、渋谷駅の隣の代官山駅周辺地区である。90年代から高級ブティック、カフェ、ケーキ屋などが争って出店し、青山や表参道と並ぶおしゃれな地区になった。山手線の外側なので、都会の喧騒から一定の距離があり、静かで温かい雰囲気がある。優雅な住宅街は環境が非常によく、最も住みたい場所の調査でいつも上位に挙がる。

【代官山T-SITE】今年開店したばかりの人気の場所である。30年前、「本、映画、音楽を通してライフスタイルを提案する」をコンセプトに、大阪の枚方に「蔦屋書店」が生まれた。30年後、「代官山 蔦屋書店」が再び夢と向き合う。頭文字「T」をテーマとして、専門店群と散歩道がつながる。本の中で顔を上げ、友だちと、子どもと、愛犬と一緒に、楽しい気分で庭園を散歩することができる。

【ロマンチックな代官山】関東大震災の後、日本の集合住宅が最初に生まれた場所だが、近年シンプルなアパートが解体され、2000年に36階建てのショッピングと住居の複合施設が生まれた。代官山地域には、国際的なブランドや日本のブランドが林立し、個性的な小さな店がその間に点在する。デザイナーやアーティストがしばしば発想を得るために代官山を訪れ、芸能人も好んでデートをする場所であり、ここで交際が発覚することも多い。(姚遠撮影、執筆)

タイトル:「夢の中」
場所:代官山蔦屋書店
撮影のポイント:代官山の新しいスポットにある巨大な犬のオブジェ。早朝の朝陽が射す時間を選び、周囲の木々が犬のオブジェにちらちらとする影を投げかけている。夢を見ているような不思議な光景が作り出された。
使用フィルタ:Lo-fi(青空と緑の木々とオブジェのコントラストを強調。フレームの装飾効果。)
タイトル:「壁面」
場所:猿楽町
撮影のポイント:デザイナーの手になるおしゃれなビル。壁面はわざと壊れたような効果を作り出している。画面の横線がほぼ三等分の構図を作っている。自転車に乗る人の明るい色が画面全体の中心となっている。
使用フィルタ:Hefe+彩度(建築の重量感を強調。フレームの装飾効果。)

タイトル:「のぞき見」
場所:ヒルズ代官山附近
撮影のポイント:空き缶用の二つのごみ箱が木の茂みに隠れて、人間のように見える。被写体に近づき、しゃがんだ姿勢で被写体と同じ高さの視点にし、謎めいた感じを増幅している。
使用フィルタ:Sutro−フレーム(周囲を暗くして主体を目立たせ、フレームを除去して情報量を増加する。)
タイトル:「空間を飛び越えて」
場所:駒沢通り沿い
撮影のポイント:マンションの壁で、巨大なレトロな現代絵画。サラリーマンと昔の武士が船に乗って酒を飲んでいる。代官山らしいイメージである。しゃがんだ姿勢で見上げて撮影した。
使用フィルタ:Sutro−フレーム(壁面と壁画の質感を際立たせ、フレームを除去して情報量を増加する。)

代官山ホームページ http://www.daikanyama.ne.jp/  DAIKANYAMA T-SITE http://tsite.jp/daikanyama/


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