静岡県下田市という地名は、中国の読者のみなさんにはあまり馴染みがないかもしれない。しかし有名な映画「伊豆の踊り子」を挙げれば、美しい景色と湯気の立つ温泉がたちまち脳裡に浮かぶことだろう。そう、あの映画で描かれた細やかなラブストーリーは、この下田市で生まれたのだ。著者の川端康成も、映画で縁を結ぶことになった三浦友和と山口百恵夫妻も、人生において消えることのない重要な経歴をここに刻んだのである。 実は、下田市で生まれた物語は「伊豆の踊り子」だけではなく、十一谷義三郎の「唐人お吉」もある。また、この伊豆半島南部の、住民がわずか2万人あまりの小都市にあるのは、景色と温泉だけではない。ここではかつて、日本の歴史を変える重大事件が起こっているのだ。日本国の扉を叩くアメリカのペリーの艦隊が上陸したのは、この下田の海岸だった。時は移り変わり、当時ペリーが上陸した場所も、今では東海地方の一流の海水浴場――白浜海岸になっている。 白浜海岸は、その名前が示すように、ハワイ、プーケット、バリ、モルジブなど、世界有数の海岸と同様、真っ白な砂浜が広がっている。伊豆半島は気候もよく、青空と白い雲がほとんど毎日見られ、一面に白い砂が広がり、波が岸に寄せる様は、まるで風景画を見るようでとても美しい。浜辺の環境はほとんど自然のままの状態だが、提供されるサービスは充実している。サーフィンやダイビングが体験できるだけでなく、下田市内には美しい水族館もあり大いに楽しむことができる。 海岸の近くには、伝統的な日本旅館と天然温泉があり、近年はさらにたくさんのヨーロッパ風のプチホテルも生まれている。これらのプチホテルは、ほとんどが一戸建ての木造家屋で、雰囲気もよく、インテリアも落ち着いていて快適だ。そこに身を置くと、まるで地中海の別荘にでもいるような優雅な気分になれる。ベランダから外を望めば、海も空も真っ青で、壮観な景色が目に焼きつく。しかも、デザインに優れ、独特のムードを備えたヨーロッパ風の建物に宿泊して、1泊1人わずか7000円ほどで、短い旅行を楽しむのには最適だ。(凱特執筆)
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