瀬戸内海の七つの島(直島、男木島、女木島、大島、豊島、犬島、小豆島)と高松市を舞台として、数え切れないほどの現代アート作品を楽しむことができる「瀬戸内国際芸術祭2010」が、10月31日に閉幕する。普段は静かな小島が、この国際的なイベントによって大変な賑わいを見せている。高松港から船に乗って30分〜1時間で、大きさも雰囲気も異なる島々に渡ることができる。さあ、一緒にアート探検に出掛けてみよう。
小豆島は七つの島のうちで面積が最も大きい舞台である。小豆島そのものとアート作品の魅力をじっくり味わいたい場合は、レンタカーを借り、一泊滞在するのが最もよい選択だろう。美しく壮観な棚田の風景を眺めることができる肥土山、中山地区は、畦道や曲がりくねった山道を歩いて行かなければならない。王文志さんが製作した大型の竹の建築物「小豆島の家」は、大きな話題を集め、心地よい気分にさせてくれる竹の空間の中では、様々な討論会が行われた。肥土山農村歌舞伎の舞台は、江戸時代から島内の各集落によって五穀豊穣願う歌舞伎が上演されてきた舞台である。土渕海峡地区の岸部に静かに設置された、韓国人アーティストのスゥ・ドーホーさんの巨大な漁の網のような作品は、展示期間が終了しても通りがかりの人々を引きつけることだろう。
10月21日までで、累計来場者数は80万3976人に達したが、最も多かったのは直島で、26万548人であった。連休の期間は特に込み合っていた。最後に島内の作品を観尽くしたいと思ったら、朝早くから屋外の作品を鑑賞し、遅くなってから、開館時間の長いベネッセハウスミュージアムに行くのがお勧めだ。事前に島内の移動手段を確保しておけば、楽に回ることができるだろう。大竹伸郎さんとgrafさんが共同製作した直島銭湯「Ilove湯」は、外観も内部も遊び心に満ち溢れた作品で、実際に入浴することも可能だ。ここではオリジナルのお風呂用品セットを買うこともできる。李禹煥美術館は新しく作られた美術館で、地中美術館から徒歩圏内にあるので、同時に鑑賞するのもよい方法だ。川俣正さんが作った向島プロジェクト「島から島を作る」は、本村港の対岸の島から集めた漂流物で作られた大きな浮島である。護王神社の上から本村港まで下りていく展望台から眺めるか、T.V.C.SERVICEによる鑑賞ツアーを利用するのが、浮島を鑑賞する最もよい方法だ。(緋梨執筆)