ビジネス街として有名な東京・日本橋に、一風変わったそばで人気を博している店がある。立ち食いそば屋「よもだそば」では、外国人客たちがそれぞれの郷土料理をもとに考案した新感覚の「インターナショナルそば」を提供しているのだ。
よもだそばは、もともと外国人向けホテルやゲストハウスを運営する「サクラハウス」の系列店。その国際性を活かし、宿泊客などにそれぞれの郷土料理をもとにしたユニークな「インターナショナルそば」のレシピを考案してもらい、週替わりメニューとして提供している。これまで数十種類のそばが登場したが、その中でも特に人気が高く、定番化されたのが、フランス出身のジュリアンさんが考案した「チーズそば」。温かい麺にからまるチーズが絶妙で、つゆとの相性もよく、リピーターが後を絶たないという。
また、スペインのパトリシアさんが考案したトマト風味の「トマティーナそば」は、さっぱりとした健康的な味で、女性に人気があるという。メキシコ出身のエリックさんとモニカさんが考案した「アルボンディガス・ア・ラ・メヒカーナそば」は、トッピングのメキシコ風肉団子の中に米が入っており、もちもちとした食感とピリッと辛味の利いたつゆが食欲をそそる。そばと言えば伝統的な日本食なので、このような新メニューに少し抵抗を感じてしまう人もいるかもしれないが、そばの大激戦区でもある日本橋において、よもだそばが日本人客からの支持を得て、確固たる地位を築いているということを考えれば、大いに試してみる価値があると言えるだろう。
また、同店では現在主婦の友社の雑誌「RYOMA」とのコラボレーション・メニュー「龍馬そば」も1日限定5食で提供している。幕末のヒーロー、坂本龍馬が絶命の直前、最後に食べたいと所望した軍鶏を使ったコクの深いつゆと、布海苔という海藻を使ったへぎそばの独特の歯ざわりの組み合わせが素晴らしく、そばにのせられた坂本家の家紋をあしらった海苔は、目でも料理を楽しませてくれる。その他国産玉ねぎを丸々1個使った「特大かき揚げそば」など、よもだそばでは常時60種類ほどのメニューが取り揃えられているので、是非一度新感覚のそばを味わってみてほしい。(林愛香執筆)