多くの人が、「高級カップめん」の代名詞とされてきた「日清ラ王」の生産終了で残念な思いをしていたところ、日清食品を代表する商品、カップヌードルの兄弟版とも言える、電子レンジで調理できるカップヌードルごはんが8月に発売されることになった。8月16日から、全国に先がけて近畿地方でこの新商品を味わうことができる。総務省の調査では、2006年の日本の電子レンジ普及率が94%に達したため、日清食品では電子レンジで調理する食品の研究開発に積極的に乗り出しているのである。
カップヌードルごはんは、広い年齢層に人気を博している国民的食品である、日清カップヌードルの味を忠実に再現している。調理方法は非常に簡単で、箱型の容器に水を注ぎ、電子レンジで加熱するだけで、熱々の味付きご飯ができあがる。カップヌードルのスープと同じ調味料で米を炊いてできあがったカップヌードルごはんは、チャーハンに似ていると言えるかもしれない。開発の過程では、カップヌードルの味の再現を重視すると共に、麺の味や麺を揚げた風味も味わえるよう工夫している。しょうゆ味のカップヌードルごはんは、ロースト醤油とペッパーの刺激と香りが絶妙で、具材として角切りのチャーシュー、卵、エビ、ねぎが加えられている。カップヌードルごはんシーフードは、ポークと魚介のうまみを重視し、微かな紅生姜の香りもカップヌードルの味に近く、具材としてキャベツ、卵、イカ、カニカマ、ねぎ、貝柱を加えている。2種類の味のカップヌードルごはんの価格は共に250円で、初年度の販売額は2億円を想定している。
日清食品はカップヌードルごはんの発売に合わせて、「カップヌードルごはんなう」というサイトを開設している。ブロガーは新商品の試食モニターになることもでき、サイト内では新商品に関するブログやツイッターによる口コミを読むことができる。一般人がカップヌードルごはんを食べる様子をUstreamで中継するというのも、注目の企画である。FM大阪の人気DJ、谷口キヨコさんは、商品サポーターとして、自分のツイッターやブログでこの新商品を応援していく予定だ。
日清カップヌードルは、来年で発売40周年を迎える。誕生した翌年に歴史的なあさま山荘事件が起こり、極寒の中で奮闘する機動隊が食べる温かい食事として、カップヌードルは世間の絶大な支持と賞賛を浴びることになった。最近はレストランに食べに行くよりも、家で食事をする風潮が高まっており、またカップヌードルごはんは忙しいビジネスマンやOLのランチの新しい商品としても、伝統的なカップラーメンの味を受け継ぎつつ、人々のランチの選択肢を広げてくれることだろう。(ff執筆)