今年の7月25日、小学館はファッション雑誌「PS」(Pretty Style)が販売部数の問題のため、2011年12月号で休刊になることを発表した。創刊9年になる「PS」は、20代前半の「カジュアルファッションが大好きな女のコ」を対象とし、ストリート系や原宿系のファッションで多くのファッションを追求する女の子たちを惹きつけてきた。表紙には、中島美嘉、宮崎あおいなど、若者の間で大人気のおしゃれな芸能人を起用し、内容の面では、毎回の特集で様々なカジュアルファッションの情報を伝えてきた。「PS」の休刊は、ファッションを愛する女の子たちにとってたいへん残念なことに違いない。
同じように休刊することになった雑誌に、新潮社の旅行雑誌「旅」がある。1924年創刊の「旅」は、今日まで多くの旅行ファンと共に歩んできたが、来年の1月20日に発行される3月号を最後に、80年にわたる歴史を閉じることになった。日本で最も早い旅行専門雑誌として日本旅行文化協会が発行し、高度経済成長期には国民の間に旅行ブームが起こったため、たいへんな人気を集めた。松本清張の代表作「点と線」も、この雑誌に連載された。2004年には発行部数の減少で新潮社の手に渡ったが、その後も販売量は落ち込み続けた。今年の11月号で1000号を迎えたが、ピーク時の20万部と比べると、現在の5万部はとても満足できる部数ではない。そしてついに、今月21日、新潮社は「旅」の休刊を発表することになった。
私たちの生活から消えていく雑誌の中で、「PS」と「旅」は最初の一冊でも、最後の一冊でもない。雑誌が私たちにもたらす喜びや充実感も、雑誌と共に消え、遠いものになっていく。私たちに残されるのは、美しいが、しだいに薄れていく思い出だけなのかもしれない。一方で、科学技術の進歩に伴って、知識を得るためのルートはますます多様化している。書籍はもはや知識を伝えるための唯一の媒体ではなく、環境保護の観点からも、ますます多くの人が電子ブックなどの省エネに有利な手段で情報を得るようになっていく。雑誌は各分野の時代の最先端に立つ産物として、時代の変遷と共に誕生し、消えていくのだろう。だがそれぞれの雑誌が我々に与えてくれた感動は、我々の人生における永遠の財産である。各ページから匂い立つインクの香りは、読者の心に永遠に残ることだろう。(小雅執筆)