厚生労働省は7月27日、2010年度の日本人の平均寿命を発表した。男性は79.64歳で、五年連続で最高記録を更新し、2009年の世界第五位から四位に上昇した。一方女性の方は、平均寿命86.39歳で、連続26年間世界トップを維持している。
日本は確かに、正真正銘の長寿国であるが、1950年代には、先進国の中で後ろの方のランクだった。1970年代から80年代の頃になって、世界第一位に躍り出たのだ。その原因を追究してみると、すばらしい医療保険制度が普及していることばかりではなく、日本人の食生活や日常生活の細部に重要な要素が隠されている。日本人は自然の食品を重視し、野菜の場合は、炒めたり煮たりするより生野菜を食べる傾向にある。タンパク質では、魚が日本人の食卓に欠かせない食品となっている。魚肉には良質のタンパク質が含まれ、低脂肪、低カロリーなので、太りにくい。また、豆腐、納豆、みそなどの豆製品を大量に摂ることは、動脈硬化を防止するのに大きな効果がある。生活習慣においては、日本人は毎日入浴するので、一日の疲労を取って心身をリラックスできると同時に、血液の循環をよくし、背中や関節の痛みを緩和することができる。
夏には、熱射病を防止するのが非常に重要になる。厚生労働省の統計データによれば、日本女性の平均寿命は首位を保ってはいるものの、前年に比べると0.05歳下がっており、分析したところ、その大きな原因は酷暑の夏に死亡者が増えたためであることがわかった。2010年の夏は記録的な暑さになり、熱中症での死亡者が前年の9倍の798人になり、これは1964年に統計を取り始めてからの最高記録だった。また7月と8月には、暑さによって直接、または間接的に引き起こされる肺炎や循環器疾患による死亡率も、前年より1割ほど増加した。熱射病を防ぐ一番の方法は、やはり合理的な食生活、十分な睡眠、そして必要な水分を補うことである。また、新鮮な果物をたくさん食べることによって、ビタミンなどを適切に補うことができる。
寿命の長さは、医療保険制度が健全であるか、健康な生活習慣であるか、健全な生活環境であるかなどと関わるだけでなく、心の持ち方も重要な要素である。俗に「心寛身胖」(心がおおらかなら体もゆったりする)と言うが、気分がよければ食欲も出て、必要な栄養を取ることができ、長寿になるのも難しくはないと言えるだろう。(Michelle執筆)