3月1日、日本の出版社Discover21が翻訳・出版した「超訳ニーチェの言葉」の累計販売数が100万部を突破した。哲学書の販売数が100万部に達したということは、真実の言葉を渇望する時代背景を証明しているのかもしれない。読者の40%は20代の若者で、20歳未満の読者も10%を占める。読者からのメッセージの多くには、「ニーチェの言葉に勇気をもらった」「私に生きる意味を考える機会を与えてくれた」「自分の子供にも読ませたい」などの感謝の言葉が並んでいる。プロサッカー選手の長谷部誠、長友祐都、V6の岡田准一、歌手の加藤登紀子、俳優の石田純一などの著名人も、新聞や雑誌、ブログなどでこの本を紹介している。
なぜ現代人が、それも特に若い人々がニーチェに興味を持つのだろうか。編訳者である白取春彦さんはこう分析する。「経済的な成功がすべてではなくなり、多くの人がどう生きればいいのか悩み、もがき苦しんでいる。そんな時代だからこそ、打算のないニーチェの真実の言葉が人々の心に響いているのでは」ニーチェは「神は死んだ」と主張し、様々な伝説に彩られた神秘的な色彩の哲学者であり、過激で自意識が強く、不屈の魂を持って向上を求めた人であった。彼は多くの明快で力強い言葉を後世に残した。この本ではその中から特に現代人に啓示を与えてくれる言葉を選んでおり、読む人はニーチェの言葉に深く頷くことができるだろう。
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェはドイツの有名な哲学者で、西洋の現代哲学の創始者の1人であると同時に、卓越した詩人であり、散文家であった。1844年に牧師の家庭に生まれ、わずか24歳でスイスのバーゼル大学に招聘されて、古典文献学の教授を務めた。1872年には処女作「悲劇の誕生」を発表し、1879年に教授の職を辞してからの10年間は、漂泊生活をしながら執筆を続けた。彼が人類に与えたものはただの新しい哲学ではなく、詩でも警句でもなく、ある種の新しい信仰であり、希望であった。彼のニヒリズム論やキリスト教に対する批判などの独自の思想は、20世紀の哲学に大きな影響を与えた。100万部突破を記念して、Discover21では3月中旬から、全国で「ニーチェ棚」というイベントを展開し、「超訳ニーチェの言葉」を中心とした、文学、漫画など、様々なニーチェ関連書籍のイベント棚が各大手書店に登場する。幸福と出遭えるかもしれない空間が提供されるというわけだ。(ff執筆)