講談社が発行する男性向け月刊雑誌「HUgE」は、メンズファッションを中心として独自の視点で編集され、時代に合わせた話題や写真、アート作品などが豊富に掲載されている。まさに「高感度なビジュアルで発信するファッションカルチャー・マガジン」という言葉に値する流行雑誌であり、読者の広範な支持を集めている。「HUgE」は日本国内だけでなく、ニューヨーク、サンフランシスコ、パリ、ロンドン、ベルリン、上海などでも発売され、2010年からはMoMA(ニューヨーク近代美術館)の蔵書ともなっている。
時代が変遷するのに伴って、人々のライフスタイルはますます多様化し、社会のニーズも多様に変化を遂げている。ブックレーベル「HUZINE」は、「HUgE」には収まりきらない多様な素晴らしいアイデアを紹介していくために誕生した。第1弾として刊行されたのは、道具を紹介する「TOOLS」(3月1日発売、定価1575円)である。本書の刊行を記念して、掲載されている商品とクリエイターが一堂に会する「Access to TOOLS〜暮らしの道具展」が、ISETAN MEN’Sと「HUgE」の共催によって、伊勢丹新宿店本館7階で開催された。
道具の本「TOOLS」は、長く使える商品を通じて、流行や消費動向に流されないライフスタイルを提案している。ショップ、クリエイター、メーカーなど、個性も様々で、その個性溢れるファッションや日用品には大いに目を開かされる。展示会場の中央では、インテリアスタイリストの作原文子さんの世界観を見ることができた。求心力を持つその作品は、一見様々なモノが入り乱れているようでありながら、見る者に生命力を感じさせてくれた。これは、モノを通じて新しい生活の価値観を体験する展覧会であり、私たちの心に深い印象を残してくれた。(緋梨執筆)