漫画「天上天下(てんじょうてんげ)」は、1997年7月に青年漫画誌「ウルトラジャンプ」で連載を開始してから今までの間に、世界中に数100万人のファンを獲得した。豊かで複雑なストーリー設定と、華やかで美しいキャラクターたちのイメージによって、この熱血コミックはあっという間に人気を集め、著者の大暮維人(おおぐれいと)さんも日本の漫画家のトップに躍り出た。2004年にはテレビ朝日でアニメ版が放映された。漫画「天上天下」は13年にわたって長期連載が続いたが、今年の8月16日についに最終回を迎えた。
連載が始まった当初、「天上天下」は格闘を主なテーマとした熱血コミックに過ぎないように見えた。物語は、武道学校で学ぶ主人公「凪宗一郎」が「棗亜夜」と「棗真夜」姉妹の柔剣部に参加し、学校のもう一つの勢力である「執行部」と対立する日常を描く。だがストーリーはここで一気に転換し、平凡な学校内の格闘と思われたものの中に、世界に影響を与える大きな陰謀が隠されているのが分かってくる。凪宗一郎は、特殊な技能を持つ多くの人々に次々と出会い、次第に自分がその中の一員であることを発見していく。主人公たちが歴史的闘争に巻き込まれていくあたりから、物語の世界観は一気に壮大なものになり、キャラクターたちのイメージも変化していく。
キャラクターたちのイメージは、連載の時期によって異なっているが、「天上天下」は最初から最後まで「青年漫画」としての二つの特徴を備えている。一つは、内容が奥深く、哲学的名言が次々に登場し、物語構造もモンタージュ的な処理が行われて、「少年漫画」との差がとても大きく、大学生以下の読者には理解が難しいことである。もう一つの特徴も「少年漫画」にはあまり見られないもので、簡単に言うと「性と暴力」の描写があることである。この二つの特徴のため、「天上天下」の読者の年齢層が高くなり、「大人の読者を熱血漫画世界に引き戻す」という奇跡を起こしたとも言える。
最終話では、歴史的戦いがついに完結する。平和な結末を迎えるが、ヒロイン姉妹のうち、姉の「棗亜夜」は戦闘の最後の段階で犠牲になり、ハッピーエンドを期待していた読者を驚かせた。「天上天下」の最終回を記念して、「ウルトラジャンプ」は82ページ増量し、「天上天下」イラスト集が付録としてついている。記念CDなどの関連商品も、まもなく発売される予定で、漫画の単行本の最終巻は11月に出版されるそうだ。(凱特執筆)