六本木のデザインギャラリー、東京ミッドタウン・デザインハブ(5月15日〜6月13日)とアクシスギャラリー(5月28日〜6月13日)の2会場で、少し変わった展覧会が開催される。これは、「世界を変えるデザイン展実行委員会」と「日本財団」「特定非営利活動法人CANPANセンター」が、BOP(Base of the Pyramid)ビジネスの展開とその意義について、デザインの視点を出発点として共同開催するものである。「世界を変えるデザイン展〜Imagine another life through the products〜」と題したこの展覧会は、BOPをデザインの視点から捉える日本で初めての試みである。
BOPとは、様々な収入の人々の層から成るピラミッドの最下層を指す。世界の人口の70%を占める約40億の人々は年間収入が3000米ドルに満たないが、市場規模としては5兆米ドル以上になる。BOPビジネスとは、企業が開発途上国でBOP層に対してビジネスを展開すると同時に、BOP層の生活水準を改善しようとするものだ。これは単純な慈善事業ではなく、持続可能なビジネスという観点からCSR(corporate social responsibility:企業の社会責任)活動の発展を推進するというものなのである。
先進国を対象とするデザインが相手にする層は、世界の人口の約10%である。だがこれからは、世界の70%の人口を相手にすべきである。つまり、開発途上国と貧困国の人々の生活水準を向上させることが、デザインの真の使命になるのである。今回東京ミッドタウン・デザインハブでは、現地の人々の生活水準を高めているビジネスモデルを展示し、アクシスギャラリーでは、大学や団体が行う活動の成功例、プロセス、背景、および現在進行中のプロジェクトが展示される。(南風執筆)
【展覧会名】「世界を変えるデザイン展〜Imagine another life through the products〜」
【会場と会期】●東京ミッドタウン・デザインハブ:5月15日(土)〜6月13日(日)11:00〜19:00
●アクシスギャラリー:5月28日(金)〜6月13日(日)11:00〜19:00(最終日〜17:00)
【主催】世界を変えるデザイン展実行委員会、日本財団、特定非営利活動法人CANPANセンター 【入場料】無料