今年の冬はここ数年なかったほど冷え込み、冬に入る前に例年発表される「暖冬予報」も今年は存在しなかった。中国では昔から天候がよく人々が出歩くようになる3月を「陽春三月」と言う。しかし、その3月初旬になっても、少し前に何度か降った大雪の影響なのか、なかなか気温が上がらない。しかし、植物は大雪にも負けず、息を吹き返し、街角の公園ではまだ新緑も見られない季節から、人々を何ヶ月にも渡って悩ませる花粉がすでに飛散し始めている。
花粉症の主な症状、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、目のかゆみなどは、鼻腔や目の粘膜が花粉によってアレルギー反応を起こすために発生する。そのため、花粉が比較的少ない屋内では、症状が屋外よりいくらか軽減される。人と自然が共生は数百万年に渡るのに、なぜ毎年必ず飛散する花粉に対して過剰反応が起きるのだろうか?患者は空気中に撒き散らされた花粉と接触すると、自然に免疫力が生まれる。その後、再び花粉と接触した時に発生する過剰免疫反応が花粉症なのである。花粉症を防止したり、症状を軽減したりするのに最も有効な方法は、花粉と直接接触しないことである。
日本は世界でマスクの種類がいちばん多い国だと言われる。初めて日本の薬屋でマスクを買う外国人観光客は、どれを選んだらいいか迷ってしまうことだろう。昔からある白い長方形のマスクを数ヶ月間も使用し続けると、花粉症で憂鬱になっている気持ちがますます暗くなってしまうかもしれない。毎日色が異なった綺麗でユニークな形のマスクを使うことで、少なくとも自分の気分だけは少し改善するだろう。
日本のデザイナーがデザインする面白いマスクのシリーズは3年間もの間、1日に1種類のペースで発売されており、現在は1000種類以上の中から選ぶことが出来る。振り返ってもらえる確率は非常に高いと思うが、これらの奇抜なマスクをかけて外出するのには、たいへんな勇気が必要だ。また、近年は、見た目も美しく、花粉症抑制効果もあるマスクも次々と発売されている。ハローキティなどのキャラクターのマスクは子どもたちに人気がある。京都の「くろちく」が発売した特製マスクは、立体構造を採用しているので、鼻孔と口がマスクとの一定の空間を保ち、長時間使用したときの鬱陶しさを軽減する。ガーゼと化繊布を素材に用い、花粉の侵入を効果的に防止する。暖色調の和風のデザインは、美しさを求める女性たちを惹きつけることだろう。(佳子執筆)