今年も世界最大規模のコミック同人誌即売会「コミックマーケット」が、8月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催された。この即売会は、すでに78回東京で開催されている。今回は3万5000のブースが設置され、3日間で日本や世界各地から延べ56万人のコミックやアニメのファンが集まって、鑑賞や買い物を楽しんだ。
コミケはコミックマーケットの略称である。コミック、アニメ、ゲーム、小説などの出版物、さらにはキャラクターを描いた扇子、抱き枕、ポスター、キーホルダーなどが販売される。販売店ではファンのために超特大のショッパー(買物袋)を準備し、ショッパーにもキャラクターが描かれている。マーケットが終わった後には、ショッパーを持って満員の電車に乗って帰る人々がたくさん見られ、それが会場の外でのちょっとした風景になっている。コミケは、コスプレイヤーが自分をアピールする絶好のチャンスでもある。彼らはそれぞれのキャラクターに扮して、会場で記念写真を撮る。これは、普段はなかなか見られない珍しい光景である。
「同人誌」とは、自分たちで資金を出して作った雑誌のことである。プロの漫画家が参加することもあるが、大多数の同人誌の作家はアマチュアの愛好家たちだ。1975年に始まって以来、コミケはこうしたアマチュアコミック作家たちにとって最も重要な作品発表の場であり、それぞれの時代の若者たちの漫画家になる夢を担ってきた。事実、「東京ラブストーリー」の紫門ふみ、「らんま1/2」の高橋留美子、女性漫画家集団「CLAMP」など、日本の多くの有名な漫画家たちが、漫画出版社によってコミケから発掘されて、プロの道に入ったのである。コミケの規模が拡大するのにつれて、アマチュア漫画家だけでなく、ますます多くの漫画やアニメ関連企業が参加するようになった。また、海外から参加する個人や企業も年々増えている。新人の画家、ファッションデザイナー、アマチュアの歌手、鉄道ファンなども、コミケを自分の作品の舞台としている。
35年間の発展を経て、コミケは毎年2回開催されるコミック・アニメの祭典になった。開幕中には、会場に向かう電車が始発から満員で、終了の翌日にようやく元に戻るという具合である。携帯電話を使う人が多いので、毎回開催前に会場ではアンテナを増設する。次回のコミケットは12月29日から31日までである。その時には、東京ビッグサイトはまた大変な賑わいになるだろう。(凱特執筆・撮影)