高さ2メートル、幅6メートルの大型透明スクリーンに出現したのは、CGで製作された美少女「初音ミク」である。暗闇の中でミクの髪と同じ色のペンライトが、歌声に合わせて左右に揺れ、2500名のファンたちが熱狂的に興奮し、会場の雰囲気は最高潮に達する。3月9日の「ミクの日感謝祭 39’s Giving Day」で、初音ミクのコンサートがZEPP TOKYOで開催された。コンサートは昼と夜の二回で、演奏された曲はすべて、アマチュア作曲家たちがSEGAのボーカロイド「初音ミク」を使って創作したものである。ミクのモーションモデルを務める小倉唯などのアイドルもこの盛大なイベントに参加した。
「初音ミク」は、自分の作った曲を声優の藤田咲の声を使って歌わせることができる、アマチュア音楽製作ファンの間で人気のソフトである。イラストレータのKEIが描いた「初音ミク」自身も人気が出て、動画投稿サイトにも多くの「初音ミク」動画が投稿されている。漫画として登場してから、「初音ミク」の名声はさらに高まっている。
後続作品としては、双子の姉妹「鏡音リン・レン」が一緒に歌ったり、日英バイリンガルの「巡音ルカ」が登場するなど、「ボーカロイド・初音ミク」は世界の大舞台へと足を踏み出している。「初音ミク」はコンサートで、ソフトを使って作られた曲にアクセスが殺到して正式発売となった「World is Mind」(supercell作曲)や、初期の人気作品「恋愛VOC@LOID」(OSTER project作曲)など30曲を歌い上げた。立体映像の「初音ミク」が音楽に合わせて水着やドレスなどに着替えて軽快に踊り、「鏡音リン・レン」と「巡音ルカ」が登場すると、コンサートの気分は最高潮に達した。
「初音ミク」ブームは音楽ファンだけのものではない。今年の国内最大のオートレース「SUPER GT(GT3000クラス)」では、「初音ミク」をペイントした白いポルシェが参戦した。白とオレンジの明るい色の服をまとったマスコット「RACINGミク」の登場に、初音ミクファンたちは大いに熱狂したことだろう。7月29日には二代目の「初音ミク−Project DIVA−2nd」(仮名)が発売予定で、第一世代のソフトと比べて一段と優れた機能を備えているそうだ。大いに期待しよう。(ff執筆)