「サザンオールスターズ(SAS)」は、日本では誰でも知っている息の長いグループである。1978年にファーストアルバムを発表してから今年まで、32年もの長い間ヒットを飛ばし続け、絶大な人気を誇っている。こうした現象は日本のポップス界では非常に珍しい。SASの歌は歌詞が素晴らしく、曲風もバラードから軽快なものまで様々で、多くの人が自分のお気に入りの曲を見つけることができるだろう。香港や台湾の歌手たちよってカバーされた曲も、ジャッキー・チュン(張学友)の「毎天多愛?一点」(真夏の果実)や、プリシラ・チャン(陳恵嫻)の「飄雪」(花咲く旅路)など、非常に多い。華人がSASの歌を聴くと、どこかで聴いたことがあるような気がするのは、そのためだろう。
日本では、SASを心から愛する多くのバンドが、夏になるとあちこちでSASの歌を熱唱し、その愛と精神を多くの人々に伝えている。SASの名曲から名づけられた「いとしのエリーズ」というコピーバンドは、結成されてから既に5年が経ち、ボーカルを務めるTOWAは、桑田佳佑のコピーを始めてから10年になる。主な活動場所は東京と神奈川で、プレーヤーたちはSAS本家の音質と重厚な感覚に近づくための努力を続け、専属のダンサーたちはステージの気分を大いに盛り上げてくれる。TOWAはもともと持っている桑田に似たハスキーボイスで、激しく訴えかけるような桑田の歌い方を摸倣し、彼らのステージはいつもSASの存在をリアルに感じさせてくれる。
5年間の努力の結果、「いとしのエリーズ」は今では、毎年夏になると10回ほどのステージの依頼を受けている。7月22日には東京新橋のSL広場で行われた「こいち祭」に出演した。駅前の超大型スクリーンに映し出された姿と共に、数万人の心に深い印象を残したことだろう。8月7日には、神奈川県川崎市の招待により、登戸で約2時間の単独コンサートを開く。コンサート会場ではいろいろな屋台の食べ物を味わうこともでき、川崎市長も「いとしのエリーズ」の出演を祝うためにかけつけてくれる予定だ。
2年前の5月にSASが無期限の活動休止を宣言した後、ファンたちが眠れない夜を過ごしたあの夏のことは、多くの人の記憶に残っていることだろう。SASのいない夏、SASのコンサートの期待もなく、心が空っぽで寂しい気持ちになったら、家族や恋人や友達と一緒に、是非「いとしのエリーズ」がこの夏全力で取り組むこのコンサートに出かけてみてほしい。きっとあの「真夏」の感覚を取り戻せるに違いない。(ff執筆)
【多摩川夕涼みコンサート】日程¨8月7日(土)17¨30×19¨30 場所¨登戸駅から徒歩5分、二ヶ領せせらぎ館下の多摩川河川敷