世界が注目する上海万博の最大のエンタテインメントである「CHA」は、中国的要素を融合し、「天人合一」の哲学的思想を表現し、中国の伝統文化と国際的な現代のパフォーマンス手段を結合したオリジナルのステージショーである。企画と製作においては、上海万博の文化演芸活動が強調するキーワードである「テーマ」「初演」「中国の特色」「革新」「ファッション性」を十分に考慮したものとなっている。上海万博のために作られたこのステージショーは、最初の公演を終えた後、世界ツアーを開始するが、その最初の公演が東京で行われる。
「CHA」は、昔から今に至る「茶」と「人」との密接な関係を生き生きと描くもので、「茶禅一味」の人生の姿を雑技(曲芸)、武術、舞踊、マジック、音楽、カンフー、書画などの形式で表現したエンタテインメントショーであり、上海万博の「創意、調和、楽しさ」というテーマを表現している。世界に影響を与えた中国の三つの古い文明の道のうち、絹の道(シルクロード)と磁器の道は舞台で表現されたことがあるが、これまで茶の道だけが総合芸術の方法で舞台表現されたことがなかった。「CHA」は伝統的な中国の雑技芸術と西洋のビジュアルアートを調和させ一体化し、伝統的な雑技に若さとファッションの生命力を発揮させようというものである。
ちょっと見たところ、茶と雑技は必然的な関係性がないように思われるが、実は茶道の精神と芸術は似通ったところがある。古代の文人、詩人、思想家の多くは、お茶を飲みながら創作をしたり深い思索をめぐらせたりした。一方雑技は、人体の極限に挑戦する中国の伝統芸術であり、小さな川が集まって大河になるのと同じように、ある時代にお茶と雑技が結合するのも必然的なことだと言える。「CHA」はモンタージュの演出手法を用いており、美しいライト、マルチメディア、そして音楽が作り出す夢幻の世界の中で、観客にまったく新しい視覚と聴覚の楽しさを与えてくれる。現代の都会人のお茶の飲み方は様々だが、誰もがそこから心身を磨く中国の茶文化を感じ取り、忙しい都会生活の中で心も体もきれいに洗い流し、さらに素晴らしい都会生活を楽しむことができるのである。
「CHA」の東京公演は8月12日から25日まで、会場は渋谷Bunkamuraのオーチャードホールである。チケットは、S席9000円、A席7000円、B席5000円である。(南方執筆)