花のように美しく華やかな20代の女子音大生たちから成るクラシックアンサンブルの演奏を聞きにいくというのは、とても新鮮なことである。Bloomは、「花」「花盛り」「輝き」という意味を持つ言葉だ。音楽プロデューサー、南出卓さんの企画により、2007年に東京芸大、東京音大、桐朋学園に在籍する女子大生たちが結成した弦楽四重奏団がBloom Quartetの前身である。2009年には、四重奏団のメンバーを中心として結成された総勢20名による弦楽アンサンブルBloom Quartet & Ensembleが活動を開始した。年末に東京文化会館での自主公演を成功させ、今年の5月には名古屋?東京ツアー公演を行うことが決定している。
世界的な経済危機は、クラシック音楽業界にも大きなダメージを与えている。クラシックのマネジメント会社の倒産、プロオーケストラの財政問題など、最近の暗い状況の中、大学生の自主コンサートの企画?運営などができる環境を作りたいというのがこの企画の目的である。また、音大の学生の大半は女性なのに、プロのオーケストラのトップは男性が多く、女性は少ないため、理想的な状況とは言えない。保守的で値段の高いクラシックコンサートにあって、低価格で気楽に楽しめるエンターテイメント形式を提供するために、Bloom Quartetの演奏曲目の多くは、ふだんクラシックにあまり興味を持たない人々向けに選ばれている。普通のクラシックコンサートだけでなく、様々な記念イベント、パーティ、結婚式などでの演奏も行い、人々がクラシックに親しめるように努めている。演奏者と聞き手が共感する場をつくるということが、Bloom Quartetの第一の活動目標なのである。(DJ亀執筆)
【Bloom Quartet & Ensemble 「Baroque」東京文化会館公演】
日程:2010年5月22日(土) 開場:18:30 開演:19:00〜20:40(予定)
会場:東京文化会館小ホール(JR上野駅公園口徒歩1分)
チケット:2000円(全席自由)
予約:東京文化会館チケットサービス 03−5685−0650
【演奏曲目】
バッハ ブランデンブルク協奏曲第3番
バッハ 管弦楽組曲第2番(抜粋)
バッハ 二つのバイオリンのための協奏曲ニ短調
グリーグ 組曲「ホルベアの時代より」