現在、中国国内のアニメーション市場は急速に成長しており、昨年一年間のアニメーション放映時間は、過去10年間の累計時間の3倍にものぼった。数百しかなかったアニメーション製作会社も、ここ5年間で約一万社にまで激増している。こうした背景のもと、「三国演義」が日中共同制作の最新アニメ作品としてすでに中国全土で放映され、大きな反響を得ている。
株式会社タカラトミーは、中国の中央電視台傘下のアニメーション制作会社「北京輝煌動画公司」と共に、初めての日中合作アニメーション製作に挑戦した。この作品を基にホリプロ、テレビ東京、テレビ大阪、タカラトミー、フォーサムの5社の強みを結集して作られたのが「最強武将伝・三国演義」だ。この作品はホリプロ設立50周年記念作品として作られ、ホリプロに所属する著名なタレントも多数参加する。船越英一郎、鶴見辰吾、戸田菜穂等の豪華声優陣が、この歴史巨編に新たな輝きをもたらすに違いない。主題歌は、「宇宙戦艦ヤマト」でも知られる、今年デビュー50周年を迎えたささきいさおが歌う。その「風の会話」は、数々の名曲を残し07年に亡くなった作詞家・阿久悠の遺作となった。
「最強武将伝・三国演義」は、世界で認められる作品となるよう、日中のアニメーション技術を効果的に融合して綿密に作られた作品である。アニメについては世界で公認されている日本の高い技術を活用し、製作の中心である絵コンテなどの作業は日本側が担当。人物デザインや脚本などは日中共同で作業を行い、三国演義の時代背景については、中国の専門機関が徹底的に時代考証を行った。製作時には中国の最新の製作器材、製作スタッフ、および日本の最新技術を用い、ポストプロダクションは、日中がそれぞれの国情に合わせて完成させた。
中国で生まれた「三国演義」という物語に日本のアニメーション技術が加わってできあがったこの作品は、これまでの日本のアニメとはテイストが異なり、まさに日中双方の共同制作でなければ生まれなかった傑作である。本作品は、4月に日本の各大手テレビ局で放映開始予定だ。「三国志ファン」のみなさんは、放映時間を逃さないようにしてほしい。放映は、2010年4月4日から毎週日曜日の午前9:30〜10:00、テレビ東京、テレビ大阪など全国6チャンネルである。(南風執筆)
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