「3D印刷」をご存じだろうか?よくわからない方のために、詳しくご説明しよう。かつてインターネットビジネスモデルの基礎理論「ロングテール」を提起した、雑誌「Wired」の編集長、クリス・アンダーソンは、3D印刷の将来性を見極めた上で編集長の仕事を辞し、3Dの分野に飛び込んで新しい事業を開始した。彼は「3D印刷は新しい産業革命の起点であり、インターネットより重要である。」と、世間を驚かせるような言葉を語っている。これは一体どういうことなのだろうか?
「印刷」という言葉は、あるいは誤解されやすいかもしれない。むしろ「型取り」と言った方が正確だろう。「3D印刷」は、特殊な型取り機を「プリンター」とし、成型材料を「紙」にして、コンピュータの中の3D画像からフィギュアを作り出すというものである。例えばコンピュータでキーホルダーをデザインして、3Dプリンターで実物を作り上げて使えるとしたら、とても不思議な感じがしないだろうか?3D印刷技術の意義は、我々が金型業界に頼らなくても自分で型取りができるというところにあるのだ。このことは、プリンターが生まれて以来、我々が印刷所に印刷を頼まなくてもよくなったのとたいへん似ている。
3Dプリントは、欧米ではすでに広く応用されている。電子製品の設計者は各種部品の型を、歯科医は義歯を、菓子製造者は様々な形のチョコレートを「プリントアウト」する。綿を使って雲を「プリントアウト」して天井からつるしてもいいし、自分の好みの枕を「プリントアウト」してもよいだろう。我々がよく知っている「アバター」や「アベンジャーズ」などのハリウッド映画でも、すでに多くの道具が3Dプリンターで製作されているのだ。
来週、世界初の3D写真館が、東京の表参道に誕生する。この「OMOTE 3D SHASHIN KAN」という名前の写真館に入り、15分かけて全身をスキャンすれば、自分とそっくりのミニチュアフィギュアを手に入れることができる。フィギュアは10cm、15 cm、20 cmの三つの高さから選べる。価格は決して安くなく、15 cmのものは32000円である。だが、恋人や家族と一緒に行けば、優待サービスもある。もし価格のことを考えないとしたら、みなさんは誰の姿をコピーして保存したいと思うだろうか?(松鼠執筆)