3.11東日本大震災からすでに100日あまりが経ったが、震災による長期的な影響が今になってあらわになり始めている。日本は経済危機から立ち直ろうとしているが、目下の東部沿海地域の再建と復興が、全国の経済状況に影響を与えるであろうことは間違いない。もし再建のための内需によって就業の機会が増大し、再び日本経済を活発にすることができれば、災難を好機に転じることができるかもしれないが。
しかし、福島の原子力発電所の事故によって日本の広い範囲で電力が不足し、安全を考えて浜岡原発も運転を停止しており、社会の世論動向によって原発の新たな建設も困難になっている。充分な電力がなければ、国が経済を復興することはできない。大きな話はとりあえず置くとしても、すでに日本は真夏に入りつつあり、夏季の電力使用ピークがすぐそこまで来ている。日本はこの電力不足の夏をどうやって過ごすのだろうか?
現在世界の主要な発電所には、火力発電所、水力発電所、原子力発電所の三種がある。火力発電所を大規模に復活することは難しく、環境汚染などの問題によって日本のイメージを大きく損ねてしまうだろう。「京都議定書」に調印した国家として、日本は手本にならなければならない立場にあるのだ。また、日本は大きな川が少ないので、水力発電を大規模に行うこともできない。従って、全国の各業界に節電を呼びかけると同時に、コストが高い他の代替エネルギーで電気の不足を補うことが、残された唯一の道なのだ。
「コストが高いエネルギー」とは、太陽エネルギー、風力エネルギー、バイオエネルギー、燃料電池などである。そのうち、太陽エネルギーと風力エネルギーは容易に得ることができ、しかも安全で環境に優しい。コストが高くて安定性が低いが、電力使用への要求が厳しい多くの場所では大いに役立つだろう。先ごろ、アルゼンチンのデザイナー、フランシスコ・タブラドが、持ち運び可能な発電ユニットを設計した。この小さな発電ユニットはすでに日本で注目を集め、近いうちに発売されることになるかもしれない。
この持ち運びできる発電ユニットの名前は「NEWEN」である。完全に開いても、2メートルほどの高さの三脚程度の大きさである。だが、アルゼンチン人の巧妙な設計により、NEWENは太陽エネルギーと風力エネルギーを同時に集めて発電することができる。携帯式の電気機器がますます増加している現在、こうした持ち運べる発電ユニットが活躍する場所は多く、携帯充電器、ノートパソコン、LEDランプ、無線ルータなどを簡単に接続することができる。NEWENを一台携えてキャンプに行ったら、とても便利に違いない。(凱特執筆)