最近ネットオークションで、定価の10分の1、あるいはさらに安い価格で新品のDVDを購入したとか、中には限定商品を手に入れたといった話をよく耳にする。これを聞くと、ネットオークションの内情をよく知らない人でも、ちょっとやってみたいという気持ちが沸いてくるだろう。だが、そんなおいしい話があるのだろうか?一般的に、オークションサイトの流れは、たくさんの人が入札に参加した後、最も高い値段をつけた人が落札金額や会費などの雑費を支払って、商品を獲得する。落札できなかった人は、お金を払う必要はない。一方、常軌を逸した安さで商品を得られるオークションサイトでは、特殊な入札方法を採っている。ペニーオークションは、近年アメリカやヨーロッパで次第に流行してきている新しいオークション方式だ。欧米で有名なサイトには、swoopoがある。2009年の夏に「ヤスオク」と「サルオク」がこの方式を導入してから、ペニーオークションは日本でも次第に注目を集めるようになってきた。
ペニーオークション最大の特徴は、1回入札するたびに75円程度の手数料を取られることである。何回も入札すると、最後に落札価格だけでなく、入札手数料が高額に膨れ上がってしまうこともあり得る。しかし、定価の10分の1で商品が手に入るなら、落札した人にとってこの手数料は痛くもかゆくもないかもしれない。1回入札すると商品金額は1円上がるので、1円から始まったオークションで、100回入札があった場合、最終価格は101円になるが、手数料によって7500円の利益が生み出される。この部分が運営費の保障となるので、高価な商品も安い開始価格でオークションにかけることができ、信じられない超低価格で落札できるのだ。
最近Sさんは、市場価格95500円のデジタルカメラに入札した。落札価格は8975円だったが、全部で3285回も入札したので、最終的に255350円を支払わないとデジタルカメラが手に入らないことになってしまった。入札回数が少なければ、比較的安い価格でほしい商品が得られるのだが、Sさんのように頻繁に入札した場合、店で買った方が安かったということになってしまう。もう一つの問題点は、入札の手数料が入札した人全員にかかることである。商品も得られず、手数料も払わなければならなくなって、元々は無料で利用できるはずのインターネットサイトが、いつのまにか底なし沼になってしまうというわけだ。この事実が、利用者に対する警告となるに違いない。こんなわけなので、ペニーオークションに参加するときは、利点と欠点をよく見きわめて、「楽しく遊んで、楽しく商品を手に入れて」もらいたい。(moonlight執筆)