定期試験の採点にiPadを――あの話題沸騰のiPadが、九州の高校に登場する。4月末、学校法人博多学園が博多高校の生徒と教職員のために100台のiPadを購入することを発表した。電子化された副教材を活用するために、次世代のeラーニングシステムを採用するというのだ。無料で高校生と教員にiPadを使用させるのは、博多高校が日本初である。
iPadはアップル社が発売する次世代のタブレット型コンピュータだ。簡単にホームページの閲覧、メールの送受信、写真の大量高速閲覧や映像観賞などが可能で、タッチパネルを指一本で操作する楽しさを味わえる。680gの重さと13.4mmの厚さは、携帯するにも便利である。iPad専用のアプリケーションソフトは数千種もあり、さらにiPhoneやiPod touchのソフトも約15000種が既に発売されている。
iPadは、日本国内では5月28日に発売予定だが、すでに発売前から各界注目を集めている。モバイル端末の急速な進化と電子書籍の普及により、最先端の技術を用いて交流が可能になるだけでなく、紙媒体では理解しにくい問題の解決や反復学習を促進でき、学生と教職員の双方向性と人間関係も強化することができる。このようなメリットから、博多学園ではiPadの無料使用を決定したというわけである。2011年には創立70周年を迎える博多学園が運営する博多高校、福岡医科歯科技術専門学校、博多幼稚園など6校では、「生徒の人生の成功につながる教育」をテーマとして、新しいタイプの教育スタイルの構築に力を入れており、iPadの投入もその一環なのである。
iPadでは電子化した教材を閲覧するだけでなく、マイクやスピーカーを使って英語教材を編集することもできる。また、iPadを利用して教職員のスケジュールや学生の情報を管理することも可能だ。授業情報の共有と活用に有利なだけでなく、iPadで試験の採点を行うことによって教職員の負担を軽減することもできる。無料で世界最先端の技術を使えるということで、周囲の学校関係者は羨望の眼差しを向けているようだ。しかし一方では、「本当にiPadが必要なのだろうか?話題づくりに過ぎないのでは?」という疑問の声も少なくない。どのようにiPadを活用するかが、今後の大きな課題となるだろう。(緋梨執筆)