「音楽に国境はない」という名言を最初に言った人でさえ、世界中の人と、いつでも自由にバンドを組んで演奏できる日が来るとは夢にも思わなかっただろう。株式会社アイリッジ(東京都新宿区)が音楽愛好家のために開発した、誰とでもセッションを楽しめるサイト「Session On Line」がサービスを開始したのだ。
自分が演奏した動画を「Session On Line」に投稿すると、他のユーザーが自分の演奏を投稿して協奏することができる。異なる文化的背景を持つ人々と一緒に演奏することは、想像を超えた効果と楽しさをもたらしてくれるかも知れない。例えば、フルート演奏の動画をメインパートとして、そこにチェロやドラムなどを加える。単に自分の演奏を加えるだけでは面白くないという場合は、メインパートをアレンジすることもできる。
このサイトでは、最大6パートを組み合わせることができる。画面上で6つの動画が同時に放映され、合奏された音楽を聞くだけでなく、それぞれの演奏者のパフォーマンスも見ることができる。異なる楽器を組み合わせて作り出す音楽はもちろんインパクトがあるが、バイオリン四重奏など、同じ楽器を合わせるのもまた味わいがある。動画の再生方式はFlash Playerを使用しているが、QuickTime、AVI、MPEG-2などの形式で投稿することも可能だ。アップロード後のデータは「Session On Line」内で、最も広く使用されているFlash Player形式に自動変換される。
「Session On Line」の動画機能は楽器の演奏だけに限定されず、ダンスやパフォーマンス、解説などを組み合わせることもできる。アイリッジ社では今後、人数の少ないバンドや小規模のバンドサークルやスクールに対して、団体利用者向けのサービスを提供する予定である。「Session On Line」を使って、オーディションやバンドメンバーを募集することもできるだろう。このサイトでは、会員登録をすれば、すべての機能を無料で利用できる。ネットワークを通じて音楽が世界を一つにする。こんな時代が来るとは、天国にいるモーツァルトやジョン・レノンも想像できなかったに違いない。(クラウディア執筆)