去年のお盆休みには、高速道路の料金が大幅割引になったが、そのために引き起こされたひどい渋滞を経験した人は、道路上で身動きがとれずに困ったことをまだ鮮明に覚えているだろう。そのため多くの人が、普段より高い料金を払ってもいいから、渋滞を緩和してほしいと考えているそうだ。ソニー損害保険が7月に、去年と今年、2年連続で自家用車を運転して帰省する20代〜50代の男女にアンケート調査を行ったところ、1000名から有効回答を得た。
「帰省の時、何kmの渋滞ならいらいらしないか?」という質問には、0〜10kmという人が60.3%、10〜20kmが16.4%、20〜30kmが11.6%であった。「10km以内の渋滞ならいらいらしない」という人のうち、最も割合が多かったのは50〜60代で70.3%を占め、年齢層が下がるにつれて割合は少なくなっていく。逆に「30kmまでなら気にしない」という人のうち、最も割合が多かったのは20〜30代で、18.5%を占め、年齢層が上がるにつれて比率は減っていく。どうやら、一般には忍耐力がないと思われている若者の方が、渋滞を気にしないようだ。おそらく若者たちは、渋滞時に時間を潰す方法をよく知っているのだろう。
今年のお盆休みには、10km以上の渋滞が596回、30km以上の渋滞が46回発生すると予測されている。渋滞時の平均時速は20〜30kmだが、時速20kmで10km続く渋滞を抜けるには30分かかり、30km続く渋滞なら1時間半かかる。高速道路を走る車が比較的少ない夜間に出かけるというのが、渋滞を避けるための誰もが認める最適な方法だろう。
渋滞に巻き込まれてしまったら、好きな音楽を聴いたり、たまっていたDVDを見たり、雑誌を読んだりすれば、時間がいくらか早く過ぎるように感じられるだろう。家族みんなで車内カラオケ大会を開けば、気分を高める効果もあるに違いない。また、渋滞対策には、十分な飲み物やガムなどを準備することも不可欠だ。炎暑の夏の日に渋滞は耐えられないという場合は、車で出かけるのを諦めて、列車や新幹線にするというのが唯一の選択になるだろう。(ff執筆)