低迷を続ける経済状態を打破するために、日本の各大手企業は相継いで大胆な方策を打ち出している。今年の7月から日本政府は、中国からの観光客に対するビザの条件をさらに緩和し、4億人あまりの中国の中層階級の潜在的観光客に照準を定める。旅行関連業界における新たな措置も人々の注目を集めている。
ゴールデンウィークを利用して海外旅行に出かけた多くの人が東京の中心部から成田空港が離れていることに不満を抱いたことだろう。現在、東京都心と成田空港を結んでいるJR成田エクスプレスと京成スカイライナーでは、特急を利用しても東京、上野から空港までおよそ一時間かかる。そのため、7月17日から開業する新しい高速鉄道によって、この状況が改善されることが期待されている。新しい鉄道の運行路線は、主として三つの区間から成る。京成上野−京成高砂は従来の京成の路線を使用し、京成高砂−印旛日本医大は北総鉄道を利用し、印旛日本医大−成田空港は今回新たに敷設される。
「京成スカイアクセス」と名づけられたこの新しい路線は、日暮里から成田空港までの乗車時間を従来のスカイライナーより15分短縮しており、これは日暮里から羽田空港までの時間より短い。デザイナーの山本寛斎さんがデザインした新型スカイライナーの車両は、最高時速が160キロに達し、日本国内では、新幹線以外で最も速い列車である。もっと多くの人々に京成スカイアクセスを知ってもらうために、京成電鉄では人員を投入して、最長で11日の連休取得が可能だった今年のゴールデンウィーク期間中に、連日1万部のPRチラシとウェットティッシュのセットを配布した。
京成電鉄と対抗するJR東日本も黙ってはいない。毎年3月に行われるダイヤ改正に当たって、横浜方面の列車を9往復増発し、渋谷と武蔵小杉に停車させることにした。これは、神奈川や多摩方面の旅客を引きつけるためである。京成スカイアクセスの方では、沿線の千葉ニュータウンの住民や印旛沼などへの観光客に配慮して、通勤型電車による鈍行列車も運行している。どの鉄道会社が空港への交通機関を改善してくれるとしても、利用者にとってはたいへんありがたいことである。今年後半に中国から日本に訪れる観光客は、このような変化による恩恵を身をもって体験することができるだろう。(ff執筆)