●史上初!オンライン新車発表会
「F1新時代のための新チーム」をコンセプトとするヴァージン・レーシングは、斬新なスタイルでF1の世界に加わった。新車VR-01は、風洞実験に用いるウインドトンネルをまったく使用せずに設計され、すべての実験をCFDと呼ばれるコンピュータプログラムの中で行った。車体のデザインも前代未聞のオール・デジタルである。こうしてヴァージンはわずか10ヶ月でマシンを作り上げてしまったのだ。システムの故障によって予定より大幅に遅れたものの、黒の車体にヴァージンの美しい赤が映えるマシンが、オンラインでついに発表された。
●感激の涙!半世紀前の伝統の色
今月の9日に新車のシェイクダウン(ならし運転)を行ったロータスF1の新車発表会が、12日に行われた。シルバーストンでの非公開のシェイクダウンは、ファイラス・ファウジーが担当した。チームプリンシパルのトニー・フェルナンデスは6日、自らのTwitterに「3ヶ月かかったF1マシンのエンジンに火が入った。製作チームのことを誇りに思う」と書き込んだ。このマレーシアのロータスチームは、名前こそ同じだが、かつて60〜70年代にF1界に風雲を巻き起こしたチームとは異なる。しかし、2010のF1マシンの塗装には50〜60年代のロータス伝統のグリーンが採用されている。
●チャンピオンも満足!バトンがマシンを試乗
昨年のF1世界チャンピオン、ジェンソン・バトン(マクラーレン)は、試乗2日目に新車MP4-25を運転し、「このように快適な新車に乗るのは初めてだ」と述べた。試乗の前に充分な調整を行い、バトン自身も好みの部品の組み立てに参加した。新車はまだ微調整が必要だが、車体の完成度は高い。この日は83周と、ライバルより走行距離が少なかったが、バトンは、試乗では何周走るかではなく、車体に問題がないかどうか、信頼できるかどうかを知ることが重要だと考えている。タイヤ性能をテストするには長い距離を走る必要があるが、他の項目についてはその必要はないのである。各種テストを行って、マシン製作はようやく終了することになる。(神島執筆)