女の子の誰もが一度は憧れるフリフリ、ヒラヒラのお姫様のような格好。私たちは可愛いな、着たいな・・・と思っていても、大人になるにつれ「どう見られるかな」「もういい年だし」と周りの目を気にして諦めてしまうことがある。しかしリズリサの服はそんな考えを一掃してくれる。「私が着たいもの着る」という堂々としたメッセージ。それはカワイイを追求したショーの内容とは裏腹に、潔く格好良いくらいである。
今回、「109ファッション」と呼ばれるリズリサが東京コレクション初参加ということで、ラインも東コレに合わせてくるのかと思っていたが、直球勝負、リズリサらしい花柄やピンク、レースにリボンを多くあしらった丈の短いAラインのワンピースが多かった。そして外着だけでなく、パジャマやバスローブも登場した点が他のブランドと大きく異なっている。なんとモデルたちがパジャマ姿でスリッパを履いてランウェイを歩いているのだ。ここでのファッションとは人に見せるもの、外で身に着けるものではない。一日中レースやリボンに囲まれていたい、女の子でいたいという願望を叶えてくれるのである。
雑誌やテレビのファッションチェックでは、その服で周りからどう見られるかというところばかりが取り上げられがちである。他の人に、素敵だと思われるか、綺麗だと思われるか。しかし服には着ている本人の気持ちを盛り上げ、ハッピーで明るい気持ちにする力がある。リズリサは「洗練された」、「ハイファッション」といった表現は似つかわしくないが、そんな周りからの言葉よりも自分自身で満足するための服なのである。
お花畑のようなランウェイにピンクのライティングの中、久しぶりに女の子の気持ちになり、なんだか元気になったような気がしたのは、そんなパワーを全身に浴びることができたからだろう。ファッションに対する「自分自身」という視点、リズリサのショーでそれを再発見できた気がする。(ヤマウチ執筆)