avie(アビィ)は2006年にデザイナーの福田由美子さんが立ち上げたレディース・ブランド。蝶結びやオリジナリティのある素材、細部までこだわったデザインと厳しく選んだ生地は、avieの服を見る人にどことなくメランコリックな感じを与え、それでいて心から楽しい気分にしてくれる。意外なことに、avieが特に重視するデザインの真髄は、服を着たときの爽やかな気分である。この素敵な気分を他の人と共有したくなって、人々の中から一歩前に踏み出すと、笑顔が溢れ出す。…avieは服の可愛らしさを大切にするだけでなく、ちょっと大人の雰囲気があって、清潔感がありながらも有能なイメージで、成熟した女性の可愛らしさを十分に表現することができる。これがavieのデザインなのだ。
1990年に文化服装学院を卒業した福田由美子さんは、A/Tに入社し、1995年に退職後、自分のデザイン会社を設立した。そして2006−2007 A/Wコレクションでavieを発表した。同年、東京の代官山に直営店をオープンした。(現在はアトリエになっている。)
いつの時代でも女性たちが大好きなものは、ドラジェのようなふっくらとしたリボンや、アンティークのレースや、今にも切れそうな繊細なネックレスである。でも、甘すぎる服を着ることには抵抗があるかもしれない。新しい季節の始まりには、ハイブランドのバッグも買いたいし、シューズケースに入りきらないほどたくさんの靴も買いたいし、時にはドレスアップして有名なレストランでディナーをしたい。…女性ならではのそんなわがままも、この冬に発表されるavieの服なら答えが見つかるにちがいない。
明日着たい服、みんなに注目されたい服。ディティールがとびきり素敵なワンピースに、今年の特徴のあるジャケットをはおり、もったいなくてはけなかったハイヒールを合わせる。服の輝きは、本物のジュエリーにも負けない。甘いと思って飲んでみたら、とびきり辛かったメキシコのココアのように、甘さの中にちょっと辛さの入った服。ファッションにこだわりを持つ女性なら、きっとavieが気に入るだろう。(緋梨執筆)