発売以来、需要が供給を上回る状態が続くiPadだが、その最大の魅力は、携帯やパソコンとは異なる様々な新しくて面白いアプリを、ユーザーが自由に選択できることにある。さらにタッチパネル式の液晶スクリーンが、使用空間と将来性を無限に広げていると言えるだろう。大画面のiPadを使う多くのユーザーは、おそらくあまり意識せずとも電子書籍関連のアプリを試してみたことがあると思う。そのため、電子書籍用のアプリも次々に生み出されている。7月下旬には、iPadとiPhone専用の電子書籍「STYLE from TOKYO」が発売され、ユニーク社とディスカヴァー・トゥエンティワン社が共同開発したアプリケーションソフト「Discover Visual Reader」も同時に発表される。
「STYLE from TOKYO」は世界で初めての、2カ国語表記かつ音声付の電子書籍写真集である。撮影は、カリスマファッションフォトグラファーのシトウレイさんが担当している。シトウレイさんは世界中で注目されているファッション情報ブロガーの一人で、この電子書籍は彼女の初めての写真集となる。現在ファッション情報ブロガーはファッション界を席巻しており、以前はパリのファッションショーで最前列にはカリスマ編集者が座っていたが、今は時代のファッションをリードするブロガーたちにとって代わられている。「STYLE from TOKYO」というブログで、シトウレイさんは原宿で撮影した東京の街のファッション写真を英語と日本語の2カ国語で海外に発信して、ファッション界の注目を集めている。「STYLE from TOKYO」は、「ジャパンタイムス」「朝日新聞」などの大手メディアでも紹介され、シトウレイさんは今年5月に、モスクワの写真展にも招かれている。
写真集を見るときには、シトウレイさん自身が原宿の街で収録した雑踏の音を聞くことができる。遠く離れた外国にいても、その場にいるような感覚が味わえるのだ。また、彼女の街での撮影風景の動画も見ることができる。最初の写真集のテーマは「春夏」だが、「秋冬」の写真も続いて発表される予定だ。iPhone用では写真集が上下2冊に分けられ、1冊80ページで450円、iPad用では完全版の写真集(91ページ)で、価格は800円(いずれも予価)である。iPadもiPhoneも持っていないという人も、がっかりしないでほしい。「春夏」と「秋冬」をまとめた紙の「STYLE from TOKYO」も来春、160ページ、1500円で発売される予定である。(緋梨執筆)