6月の日本は、梅雨が南部から次第に北上して、北海道を除き雨の季節が1ヵ月近くも続く。明るい晴天の空もなかなか見られず、蒸し暑い毎日に、人々の顔にもどことなく不快な表情が浮かぶ時期である。今年の東京の梅雨は、7月20日ごろまで続くと予想されている。心躍るはずの夏なのに、その半分近くの時間は雨の音を聞きながら過ごすことになるというわけだ。梅雨があまりに長くてうっとうしいからということもあるのだろうか。梅雨が終わる頃になると、それぞれの街や商店街、団体などがあちこちで次々に夏祭りを開催する。日が暮れて祭りが始まると、ぼんやりとともされた灯りの中で最も目を引くのは、伝統的な浴衣を身に付けて、団扇を手にした若い女性たちである。
浴衣はもともと安土桃山時代、風呂上りの体についた水分を吸収するために作られたゆったりした着物であった。素材は綿が多く、ほとんどは単衣(ひとえ)である。普通の和服と同じように、帯を腰に結ぶ。本来浴衣を着る場合は下駄を履くが、最近は足袋と草履を履く人や、サンダルを合わせる人も珍しくはない。
浴衣を着るときは、洋服とは違って、頭の上から足の先まで統一させて、手に持つバッグも同じ系統でそろえるのが望ましい。だが和服についてよく知らない若い女性たちは、自分で組み合わせを考えるのはちょっと難しいかもしれない。幸い、最近の浴衣の多くはセットの形で売られている。最もよく見られるのは、浴衣、和風バッグ、下駄、浴衣帯の4つをセットしたものである。普通の和服が高価であることを考えると、浴衣のセットを買う時に心配なのは値段だが、実は今一般的に売られている浴衣は機械で縫製したものなので、セットで買っても比較的安く、3000円から10000円ぐらいで、素敵な浴衣を手に入れることができる。
例えば、着物店の風香が販売する「R-25シリーズ」は、25歳以上の女性向けにデザインされている。そのため色は華やかすぎず、シンプルな色調が中心である。伝統的な和風のデザインで、高品質の浴衣帯や下駄も揃っているだけでなく、他と異なる点は、浴衣帯専用のアクセサリーや胸飾り、ヘコ帯などを選べることだ。この風香だけの個性的なアクセサリーがあれば、浴衣美女の中でも特にみんなの注目を集めることができるだろう。この豪華な5点セットで、わずか3000円である。基本セットに1000円から2000円を加えれば、高級浴衣帯やレース下駄に換えることもできる。お気に入りの浴衣があれば、梅雨の季節が終わるのを心待ちにする気持ちも、もっと切実になるかもしれない。(ff執筆)