漫画は虚構、誇張、写実、比喩、象徴、借用などの様々な手法によって、絵を用いて物語を語る視覚芸術である。現代のような漫画で、日本で最も早く登場したのは、1814年に出版された葛飾北斎の北斎漫画であろう。漫画は現代では、日本において老いも若きも、万人が共に楽しめる芸術表現の形式になっている。我々は漫画を書店で買えるだけでなく、スーパーやコンビニでも、棚の上に漫画を見つけることができる。出退勤の電車の中や、電車を待つ人々の中に、漫画を手にして夢中で読んでいるサラリーマンや学生を見ることができる。また日本の漫画は、国内で大衆文化として広く受け入れられているだけでなく、アジア各国での人気はさらに高く、近年では欧米でも日本漫画ブームが起きており、アジアを飛び出して世界に向かう勢いである。
漫画は高尚な芸術品の仲間には入れない市井の芸術だと思っている人もいるかもしれない。しかし日本では、人々の漫画を愛する気持ちやこだわりは、「高尚な芸術」を遙かに超えているのだ!日本の漫画は、「国民性」と共に発展する過程で、次第に地位を高めていったのである。京都市中京区にある京都国際マンガミュージアムは、2006年に開館した、日本で初めての総合的な漫画博物館である。館内には明治時代からの様々な漫画雑誌が収蔵され、現代の人気漫画作品と世界各国の漫画の名作が30万冊も集められている。
また福岡県北九州市では、8月3日に斬新な漫画博物館が開館した。この「北九州市漫画ミュージアム」は、JR小倉駅の新幹線口にある「あるあるCity」の5、6階にあり、面積は2330平方メートルである。展示と各種イベントによって、日本と世界に対して漫画の魅力を発信している。開館の日には、北九州市出身の漫画家で「銀河鉄道999」の作者である松本零士さんが来館し、300名の来館者と共に北九州市漫画ミュージアムの開館を祝った。博物館として、漫画家たちの作品とその関連資料を収集する一方、所蔵図書によって、蔵書が豊富な「漫画図書館」を構成している。名誉館長の松本零士さんは、「楽しく、思い出をいっぱい作ってもらえる空間を目指したい」と語っている。
高貴な生まれではないが、漫画は次第に我々の日常生活に影響を与える芸術へと変化している。その大衆性と芸術性によって、充分に人類の文明を伝えることができる文化となっているのだ。(小雅執筆)