個性的アートの発信地
原宿の竹下通り近くの路地に、不思議な形の建築物がある。縦横に交錯する鉄パイプとカラフルなペイントが目を惹く外観で、道行く人がみな不思議そうに眺めている。
この建物はデザイン・フェスタ・ギャラリーといって、東京でも最も独特な雰囲気を持つアートイベントと展示のための空間である。厳しい審査も面倒な制限もなく、あらゆるジャンルのアーティストやデザイン愛好家が、年齢も国籍も問われることなく自分の作品を自由に展示して、心の底にある思いを発信することができる。
1998年にアパートを改造して作られたデザイン・フェスタ・ギャラリーは、それからの8年間、爆発力を秘めた芸術的構想や衝撃力を備えた作品の展示によって、原宿、東京、さらには日本全体の個性的アートの発信地となってきた。国内外の旅行ガイドでも頻繁に紹介され、修学旅行の生徒たちや外国人観光客の人気を集めている。近頃はアジア各国からの来訪者が増えている。
出展者の提案によって建物の内外に施されるペイントが、この展示会場の雰囲気を常に新しくしている。入り口に置かれた自動販売機を初め、階段や天井までが様々な色に包まれていて、まるでアートの桃源郷に足を踏み入れたかのようである。一階と二階の展示スペースには斬新で独特な作品が交替で次々に展示される。展示換えの回転が速いので、毎回違った作品を見ることができる。作品の製作者はたいてい会場にいるので、作品について質問もできる。裏庭にはお好み焼き屋「さくら亭」があったり、無料でインターネットにも接続できる。コーヒーを飲みながらアート作品について語り合うのもなかなか楽しい。
作品の展示者の多くは20歳前後の若者だが、30代の会社員で、仕事の余暇にリラックスするためにアートを楽しんでいる人もいる。今までの最高齢は75歳の男性で、「私はここではまだ35歳です。」と元気に語っているそうだ。一方最年少は小学生で、正月にもらったお年玉を活用して作品を展示したらしい。もちろん、ここには著名なデザイナーが登場することもあり、スターの衣装デザインを依頼された出展者もいるとのことだ。
また、デザイン・フェスタの公式サイトは必見だ。毎日何回もブログが更新され、デザイン・フェスタのすべてのイベントや展示に関する情報を閲覧することができる。サイトは15ヶ国語のバージョンがあり、それぞれのページのデザインはまったく異なっている。これを見るだけでも、大いに楽しめる。
【お知らせ】明日、明後日の二日間(12月2日〜3日)、東京ビッグ・サイトでアジア最大級のアートイベント、「第24回デザイン・フェスタ」が開催されます。2600の展示スペースに、全世界からの6000名以上のアーティストと、50000名以上の参加者が集まって、驚異と刺激と発見の空間を展開します!本メルマガでは来週の金曜日に特別増刊号を発行して、デザイン・フェスタについて詳しく報道する予定です。ご期待ください! |