街に流行するワイドベルト
初夏の足音がかすかに感じられる今日この頃、日本の女性たちもそろそろ厚手の上着を脱ぎ、軽くて薄い服を身にまとって自然な美しさを表現し始めている。街を行く人々をよく観察してみると、今年の春夏の流行アイテムはどうやら幅の広い「ワイドベルト」らしい。
「商品を追加しても、あっという間に売れてしまうんですよ!」東京銀座にあるプランタン銀座のベルト売り場では、一本5000円前後のベルト在庫を去年の二倍(約500本)に増やしたが、週に約700本も売れる勢いのため仕入れが追いつかない状態だ。また、新宿の小田急百貨店の女性用ベルトの売上額は、去年の1.6倍に達したそうだ。
今年流行のベルトの特色は、幅が6〜8cmと広く、光り輝くワイヤーや天然石を嵌め込んだり、豹柄を用いたり鋲を打ったりしていることで、視覚的にかなりインパクトがあるため「インパクトベルト」と呼ばれている。
街でワイドベルトが流行するのには、いくつかの理由がある。第一に使いやすく、一本のベルトでいろいろイメージを変えることができる。第二にジーンズと合わせると、カジュアルな服装を高級かつ優雅に彩ることができる。第三にファッション雑誌の後押しがある(20代の女性に人気の雑誌「Cancam」では増刊号まで出して宣伝している)。第四にブティックの「組み合わせ販売戦略」によって、試着のときにベルトも一緒に勧めて、気に入った女性がスカートなどと一緒に買っていくケースが多いということもある。
ワイドベルトの流行に、普段はおとなしい女性たちにも、ちょっと身に着けて「小さな冒険」をしてみようという心理が起きるようだ。どうやら「インパクトベルト」の衝撃力は、まだしばらく続きそうである。 (中嶌重富提供) |