宇宙旅行のニューファッション
旅行会社も宇宙旅行業務を開始し、一般の人にとっても宇宙に行くことが他人事ではなくなってきた。昔の人が初めて飛行機に乗ることになったときと同じように、いつか宇宙旅行に出かける幸運に恵まれたならば、誰もが雲ひとつない晴れた日にすてきなファッションに身を包んで出発したいと思うことだろう。
今月の2日、宇宙旅行ファッションのデザインを競うスペース・クチュール・デザインコンテストが東京大学本郷キャンパスで行われた。応募者は365名、作品は882点にのぼった。当日は、最終審査に残った11名の作品をモデルたちが身に付けて登場し、和服のようなあでやかな衣装から、心地よさを追求したユニフォームまで、色もスタイルも様々な宇宙旅行ファッションが華やかさを競った。
このコンテストを主催したのは宇宙航空研究開発機構(JAXA)所属のコンテスト実行委員会である。彼らはアメリカのロケットプレーン・キスラー(RpK)社と協力して、2008年末に開始される高度100キロメートルの弾道(サブオービタル)宇宙旅行のために、去年の11月から宇宙旅行ファッションのデザイナーを募集していたのである。
コンテストの結果、東京モード学園3年生の梅津緑さんの作品が最優秀賞の栄冠を勝ち取った。テーマは「宇宙散歩」で、保護されている安心感を表現するためにビニールやサテンの素材を使い、大胆な曲線を描き出している。この広い襟付きのゆったりとした白いドレスが、無重力の世界で柔らかく浮かび上がることだろう。また、付属するウサギのぬいぐるみもお揃いの服を着ていて、デザイン全体に幻想的な雰囲気がただよっている。
梅津さんは、審査委員長の松居エリ氏や制作コラボレーターと共に、今後RpK社の宇宙旅行参加者のためのウェアの開発に取りかかる。今回のコンテストに出品された試作品は、来年3月にパリで展示される予定だ。 |