芸術の秋に三つの美術展
今年の秋、全国各地の美術館では話題の美術展が次々に開催されている。世界の有名なアーティストたちの傑作を観賞して、芸術の秋を大いに楽しんではいかがでしょうか。
神戸市立美術館の「オルセー美術館展――19世紀 芸術家たちの楽園」では、パリのオルセー美術館から140点の作品が出品される。その中の多くは、日本人のファンが多い印象派の絵画である。画集などでよく見られる名作以外に、近年収蔵されたばかりのものも多く含まれ、絵画、彫刻、素描、写真、工芸品、建築デザインなど、多彩な分野にわたっている。このようにたくさんの世界的名作が日本でまとめて見られるのは、たいへん貴重な機会である。
10月19日には東京都美術館で「大エルミタージュ美術館展」が始まり、ピカソ、モネなどの名作を鑑賞することができる。テーマは「都市と自然」。80枚あまりの油彩作品は、時代的には400年にわたり、地域的にはヨーロッパ各国にまたがる。これらの作品は、私たちに都会の喧騒を忘れさせ、リラックスさせてくれるに違いない。
世界的に有名な美術館の所蔵品をまとめて見られるこれらの展覧会の他に、一人の画家の作品を扱った展覧会にもお勧めのものがある。それは、東京の上野の森美術館で行われている、生誕100周年記念「ダリ回顧展」である。20世紀の美術界最大の奇才ダリは独自の表現方法を用いて、幻想と非現実が溶け合った、混乱するような奇妙な世界を構築した。約60枚の作品と貴重な初期の下絵、写真などが一挙に展示されており、1989年に84歳でこの世を去った巨匠ダリの足跡をたどる展覧会となっている。(本文は雑誌「日経トレンディ」の関連記事をリライトした) |