地下の記者会見
優秀なアニメ脚本作家を発掘するために、アニメ専門チャンネルのANIMAXでは、2002年に「アニマックス大賞」を創設した。このたび第5回の大賞受賞作品が決定し、11月2日にアニメーション制作記者会見が行われた。受賞したのは月野あかり氏の作品「ゆめだまや奇談」で、姉が弟の夢の世界に入り込むというテーマの幻想的な物語である。彼女が描く場面に地下のシーンが多いので、今回の制作発表会は、虎ノ門の地下40メートルに現在建設中の日比谷共同溝で行われた。
施工用のエレベーターに乗って直径約7メートルの地下トンネルに下りていく。ここは賑やかな外の通りとはまったく違って、スニーカーの足音がこだまするような静かで広い空間である。
特別審査委員を務めたのは、アーティストで「米米クラブ」のボーカリストでもある石井竜也氏である。彼は、「アニメは最近、中国が力をつけてきていて、日本はもっと頑張らなくてはいけない。」「重要なのは脚本だ。受賞作品には世界の秘密とコミュニケートする物語性と情報性がある。」と述べた。月野氏は受賞について心から嬉しいと述べ、「子供たちにとって忘れがたいようなアニメ」にしたいと語った。
「アニマックス大賞」は日本のアニメ界に対して大きな影響力を持っている。募集するのは、30分から45分の長さのアニメ脚本である。去年の受賞作である「リリとカエルと(弟)」は、東映がアニメ映画にし、今年の8月に上映されて好評を博した。今回の受賞作品も来年秋に公開される。
会場となった「日比谷共同溝」は、電話、電気、ガス、水道などの生活基盤施設を収容するものである。国土交通省は現在「工事現場を文化の広場にする」という活動を行っており、8月にはここでコンサートが開かれた。石井は、「倖田来未からここのことを聞いたが、とてもいいと思う。僕もここでコンサートをやってみたい。」と述べた。 |