漫画連載30年
近頃出版された一冊の漫画本に対して、こんなにもたくさんの漫画ファンが、大いなる興味と熱烈な思いを抱いていることには驚かされた。
その本の名は「超こち亀」。実在の地名をタイトルに用い、週刊少年ジャンプに30年間連載を続け、一度も休載することのなかった人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が、連載30年を記念して特集本を出版したのだ。
「超こち亀」には、少年ジャンプに執筆した各世代の人気漫画家と、他の雑誌のベテラン漫画家87人(コラボ漫画を入れると92人)が寄稿している。これは日本の漫画界初の快挙であり、おもしろくないわけがない。売り出されたと思ったら、あっという間に売り切れ、すでに三回重版されているが、それでも需要に追いつかない。
このように多くの漫画家たちが一人の漫画家のために集まることは日本の漫画界では前例がなく、原作者の秋本治氏の人気を物語っている。秋本氏のように漫画に打ち込む作家もなかなかいない。彼は漫画への深い気持ちを、すべて作品を通して読者に伝えてきた。30年間連載を続けている「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、単行本で現在151巻で、日本の漫画史における傑作のひとつである。
「超こち亀」は集英社から出版され、価格は2100円である。(本文は雑誌「R25」の文章をリライトした)
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