人の心を読む 20Q (トゥエンティキュー)
「ワレワレハ ヒトノココロガヨメルノダ!」こんなふうに傲慢に宣言しているのは、去年の 11月 20日に日本で発売された電子玩具「20Q」である。20Qの出す20個の質問に対して「はい」「いいえ」「ときどき」「わからない」の四つのボタンで答えると、こちらが考えているものを当てることができる。
このてのひら大のプラスチックボールのようなゲーム機をあなどってはいけない。一昨年の 1月にアメリカで発売されて以来、「正解率」があまりに高いため、すでに200万個も売れているのだ。日本では発売前に、ネット上で実験的に公開され、8日で80万人がアクセスし、100万件以上のサンプル資料が得られた。これを土台に改良して作られた日本版 20Q は、英語版より高い76 %の正解率で人々を驚かせている。
「犬」「猫」などの簡単な答えはもちろん、「隕石」「水道管」などの特殊な言葉も百発百中である。正解を出すと、「ヨユウデスネ」という文字が点滅する。実際、20Q が固有名詞を当てる能力は想像を超えている。「TOKYO−FASHION」を問題にしてやってみたところ、「ソレハザッシデスネ!」という答が出た。そして「ワタシノカチ!」と得意になってみせた。
無論、正確な答を出すというだけなら、コンピュータの方が優れているだろう。しかし、20Q の魅力は、時々ミスをしてみせることなのである。例えば「日本」という問題に対する答は「コノヨニナイモノ」、「人生」という問題に対する答は「ユメ」である。まるでユーモアたっぷりの皮肉屋のようだ。同僚との宴会や飲み会の席できっと喜ばれるにちがいない。ただし、無防備に遊んでいると、そこには危険が潜んでいるかもしれない。例えば、「上司」の答が「オニ」だったり、「恋人」の答が「オモチャ」だったりしたら、やっかいなことになるだろう。
「20Q」はゲームメーカー「バンダイ」が開発した商品で、値段は2100円である。(本文は雑誌「R25」掲載の関連する文章をリライトしたものである)
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