冬はおいしい牛肉しゃぶしゃぶ
年末年始に日本人が好んで食べる料理の筆頭は牛肉のしゃぶしゃぶだろう。
鍋料理店はたくさんあるが、牛肉に高級感を出して、料亭で出される松坂牛のような高級牛を使用する店は少ないし値段も高い。しかし、卓上小型コンロさえあれば、スーパーでしゃぶしゃぶ用の牛肉を買ってきて自宅で気楽に楽しむことも可能だ。
しゃぶしゃぶの調理方法は極めて簡単だ。まず湯を鍋に入れて煮立て、皿に盛った肉を箸で一片ずつ取って湯に入れ、肉を泳がせるように左右に数回振る。すると肉の色がたちまち変化する。それをごまだれやポン酢に入れて、味をつけて食べる。野菜は湯で煮て柔らかくなったら食べられる。
肉を湯の中で動かす動作が、「しゃぶしゃぶ」という名前と関係している。昔の人々が、肉を動かす動作を「しゃぶしゃぶ」という擬音語で表現したのが、代々伝わって今も使われているのだ。肉をただ鍋に放り込んで煮るのではなく、「しゃぶしゃぶ」と泳がせて食べた方がおいしいと考えられている。そのため、日本ではこの鍋料理を「しゃぶしゃぶ」と呼んでいるのである。
ところで、しゃぶしゃぶに使うごまだれには、中国の発酵調味料である腐乳が入っているのだそうだ。だが日本ではすべてのスーパーで腐乳を売っているわけではないので、瓶詰めの出来合いのたれを使うのが便利で、本場の味を簡単に楽しむことができる。また、ポン酢には好みによって紅葉おろし(にんじんや唐辛子を混ぜた大根おろし)を加えると、また格別の風味がある。
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