「ミニ修行」ブーム
最近、お坊さんの指導の下に座禅を体験し、自分を見つめようとする中年サラリーマンが急増しており、お寺で小さな仏教体験をする「プチ出家」がブームとなっている。東京都心の禅寺では「三日僧侶体験修行」などが盛んに行われ、人生の悩みを根本的に解決しようとする人々に静かに自己を見つめる環境を提供している。
毎週金曜日の夜 6時から、中野の成願寺では 40分間の「座禅会」と1時間の「写経(または法話)」が行われ、参加費用は毎月 1000円である。三田の龍源寺ではこのほかに、「仏像を彫る会」と「書道教室」を開催している。
「プチ出家」に参加する動機には「仕事の悩みを解決する」(42歳・会社員)、「自分を変えるきっかけ探し」(28歳・フリーター)、「何をやってもうまくいかない理由を知りたい」(53 歳・自営業)などなど、人によって様々である。静岡県の良泉寺の大塚住職は、 「経済的に豊かなときは物質万能で精神世界の貧しさに気付かない。ところが、経済が頭打ちで将来が不安だと、精神的に充実していないことに気が付く」と指摘する。
また、寺院内に宿坊が建てられ宿泊して勤行、写経、座禅を体験できるところも少なくない。青森県の恐山宿坊では温泉が大人気だし、長野県の善光寺には 39 の宿坊があって、毎朝 5 時からの勤行に参加できる。
東京都内には、外国人向けの「ミニ修行」を行うお寺もある。
林泉寺( 文京区小日向 4-7- 2 、電話: 81-3-3943-0605 )会費 500 円(支払は随意)、英語の説明あり。
宋雲院(台東区上野 4-1-12 、電話: 81-3-3844-3711)会費無料、英語の説明あり。 (中嶌重富提供)
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