草間彌生の栄誉
全世界の特に優れた芸術家たちの業績を讃える、日本美術協会主催の「高松宮殿下記念世界文化賞」が、先日第18回の5名の受賞者を決定し、前衛芸術家の草間彌生は日本女性で初めて絵画部門賞を獲得した。授賞式は10月18日、東京元赤坂の明治記念館で行われる。
草間彌生は、長野県松本市出身の彫刻家、画家、小説家である。少女時代から統合失調症を病み、繰り返し襲う幻覚や幻聴から逃れるためにそれらの幻覚や幻聴を描きとめた。反復増殖する水玉と無限に広がる蜘蛛の巣を駆使して、半世紀の間たゆまずに様々な作品を創作し、現代アートの最前線を走り続けてきた。
1957年にアメリカに渡ったことは、草間の芸術的生命に新しい契機をもたらした。「毎日朝から晩まで一生懸命描」き、白黒作品「無限の網」が一躍脚光を浴び、布で表面を覆った立体作品や、多くの反戦パフォーマンス、人体芸術、ファッションショーなどはニューヨークでたいへんな反響を呼んだ。
1993年、草間はベネチア・ビエンナーレに参加し、彼女の名声はますます高まった。芸術に対するとどまるところを知らない追求は、他の分野にも広がりを見せている。彼女は映画「草間の自己消滅」を自作自演し、小説や詩集も発表し、いかなる拘束も受けない斬新な表現形式を誕生させた。近年、松本市美術館の「幻の華」などの大型野外彫刻が、草間の非凡な芸術的才能をますます強く感じさせる。
今年10月、ニューヨークで草間の個展が開かれるため、彼女は百以上の黒白絵画シリーズの製作に没頭している。「今まで苦労してきましたが、ここまで努力してこられて嬉しいです。みなさんの注目の中で、全力で仕事を続けていきます。私の作品にみなさんがずっと興味を感じてくださることを祈っています。」草間は心からの言葉で喜びを表した。「今、注文が世界中から来て、作品を全世界で制作しています。日程はかなりきついのですが、人生はこれから始まるのです。新しい考え方で、新しい作品を創造し、新しい世界に向かっていくのです。」
尽きることのない探究心が、草間の新しい創造の魂に新しい火をつけたのである。 |