青空を飛翔する夢
「週刊・東京流行通訊」の本年第5号で、100本の電池を使って空を飛ぶ実験のことをご紹介したが、この件で最近新たな進展があった。5月21日、東京工業大学とPanasonicの共同グループが、静岡県の富士川で160本の電池を使って離陸と滑走の実験を行い、大成功を収めたのだ。「飛行」の定義では、人力以外の動力を使用し、離陸前の滑走もその動力の「自力」でなければならない。今回の実験では、この目標を達成した。残念だったのは、最後に強風に見舞われ、機体が着陸する時に前部を破損してしまったことだ。そのため、電池100本による挑戦は次回に回すことになった。
同じような発想をする人はいるもので、 5月26日には、宮崎駿のアニメ「風の谷のナウシカ」に登場した乗り物メーヴェを原型とした飛行装置の有人飛行実験が、東京青梅市の明星大学のグラウンドで行われた。この飛行装置の発明製造者は、電子メールソフトのポストペットを開発した八谷和彦氏である。今回の実験は、非常に長いゴムを飛行装置の先端につけて、その弾力によって飛び立とうというものである。木製の機体の重さは約66kgだが、10メートルの長さの内翼と外翼は機体を数十メートル滑走させた後、最後には3メートルあまりの高さを維持して安定飛行を行うことができた。八谷氏は自ら飛行装置の上にうつぶせに乗って操縦し、それについて「アーティストの特権だ」と述べた。 |