エアロトレイン
地面から浮上して新幹線の二倍の速度で走り、東京から大阪までたった一時間しかかからず、時速は500キロに達し、百パーセント自然のエネルギーを活用し、消費電力は新幹線の三分の一以下……こんな夢のような未来列車、新幹線を超越した「浮揚する」列車の名は「エアロトレイン」である。
これは列車と呼ぶべきなのか、それとも飛行機と呼ぶべきなのか、微妙なところだ。この未来型列車は、翼をつけているのである。まず車体両側のプロペラによって列車を加速し、翼が生み出す揚力で浮揚する。同時に、翼と地面の間の空気が高速で流れて、「地面効果」と呼ばれる反発力が発生する。揚力と地面効果によって地面から10センチメートルに浮き上がらせるエアクッションを作り出し、超高速の浮上走行が可能になる。
最高時速はリニアモーターカーと同じ500キロである。さらに驚くのは、揚力と地面効果を有効に利用することによって消費電力が新幹線より遥かに少なくなることだ。エネルギーは、ガイドウェーと呼ばれる専用路の上に設置した太陽電池パネルと風力発電のみを使用しており、100%自然のエネルギーである。しかも、コイルやレールの施工も必要なく、建設費用が安くすむ。
環境にも優しく、コストの点でもかなり魅力的な夢の未来列車「エアロトレイン」を開発したのは、東北大学流体科学研究所の小濱泰昭教授である。彼の研究グループは、2020年に350人を乗せて時速500キロで走る有人車体を完成させることを目標にしている。これは若者たちを夢中にさせ、近い将来必ず実現するであろう夢なのである。
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